71 . キャリア・ウェルネス(村山 昇)
- 健やかなキャリア観
- 働くことを通して自分の「在り方」を豊かにさせていく。
- 意味/目的に向かう負荷やリスクを受け入れられる。
- 他人と比較して自分をどうこう感じる状態からの解放。
- 成功や自己防衛を超えて、大きな健康を得るためには、創造や貢献に軸足を置いた活動に邁進する。
- 健やかに働くとは、「意味」からくる内発的動機によって、能動的にそれに取り組む状態。
- 意味を探し求める人間が、意味の鉱脈を掘り当てるならば、そのとき人間は幸福になる。彼は同時に、苦悩に耐える力を持った者になる。(ビクトール・フランクル)
- 消費や所有による安楽的活動に執着することは、負荷を避け、受動的という点で脆弱で、健やかさから遠くなる。生産や貢献といった負荷活動にこそ健やかさがやどるといえます。
- 自分ならではの味わいや厚み、力強さを醸し出す仕事。そこには多少の無駄やある方向への強調やゆがみがあるかもしれません。要求された枠からはみ出し、欠如があるかもしれません。 しかしこれこそが、個の意思が豊かに表れるということです。
- 「情的な楽しい」と「意的な楽しい」。端的に言えば「快」か「泰」。「快」は心地よく気分がさっぱりした状態。「泰」はどっしり太く落ち着いた状態。どちらも大切。
- 個々の働く人が、それぞれの働きがいをつくりだすためには、哲学的な対話の場、観を醸成する教育機会、相互に精神面を磨きあう組織文化などが必要です。
- 経済的な必要から自由になったとき豊かさを楽しむことができるのは、生活を楽しむ術を維持し、洗練させて、完璧に近づけていく人、そして、生活の手段にすぎないものに自分を売り渡したりしない人。(ジョン・メイケード・ケインズ)
- 自分は仕事を通してどんな本質的なことに向かおうとしているのかに目を澄ますことが大切です。その作業自体がすでに健やかさへのプロセスなのです。
- 最初の仕事はくじ引きである。最初から適した仕事に就く確率は高くない。しかも、得るべきところを知り、向いた仕事に移れるようになるには数年を要する。
- 後半の半分を会社人としての悪い皮を厚くさせるのではなく、一職業人としての独立意識を育むことがマインド醸成上の肝だと考えます。
- 自分から会社名とか肩書とかを外し、一職業人としてどうありたいのか、どう行動していくのかという目線で日々の仕事に向かいあう。
- 真に自律的な社員は、会社のやり方や考え方が自分の律に照らし合わせて違和が生じたとき、どうしても批判的にならざるを得ません。場合によっては強く反発するでしょう。
- 自主や自発のやる気は、外発的な刺激によって喚起することができます。しかし自律のやる気は、本人の律にかなわない限り湧いてきません。内発的な動機によって主導されるものです。
- 一個の自立した職業人として、常にエンプロイアビリティ(雇われる力)、アントレプレナビリティ(起業しうる力)を養い、いつでもその会社を卒業してもいいような状態をつくれ。少なくともそうした気概を持ち続けよ。
72 . Good to Go 最新科学が解き明かすリカバリーの真実(クリスティー・アシュワンデン)
- 身体の声に耳を傾ければ、何が必要かについての手がかりが得られる。そのメカニズムを表す難しい科学の公式を知らなくて問題ない。
- アイシングからメリットを得られると考えられているのは、大会期間中などごく短期間のリカバリーが必要で、長期的な適応を気にしなくていい状況です。ハードトレーニングで最大効果を得たいなら氷を使うべきではない。
- アスリートは練習していないと落ちつかず、していると安心します。休むことを何かを諦めたり、怠けたりするのと同義だと考えてしまうのです。しかし、パフォーマンスを上げるためには、練習量を増やすよりも減らすことが大切なときもあります。
- あと少し睡眠か練習の時間を増やせるとしたら、睡眠を選ぶ方が賢明だ。
- 昼寝は選手にとって本当に重要だ。覚醒し、運動パフォーマンスも生産性も向上する。
- 一番大切なのは睡眠。ハードな練習、たっぷりの睡眠、身体によい食事。これを繰り返すこと。
- オーバーリーチングとオーバートレーニングを区別する方法は、しばらく後にそれがどれだけ続いたかを基準にして判断するしかありません。「機能的オーバーリーチング」と呼ばれる状態になると、数日から数週間の休養期間の後、パフォーマンスは高まります。
- オーバートレーニングという状態はなく、リカバリーが不十分な状態があるだけという考え方がある。
- リカバリーが良くないときは心の状態も良くなく、リカバリーが良好なときは心の状態も良好なのです。
- 成功したいのなら、トレーニングにどのように身体が反応しているかを確認し、リカバリーに不可欠な良い習慣(十分な睡眠、良好な栄養、適切なトレーニング量)を身につける必要がある。
- アスリートにとって極めて重要な能力は、身体の声に自信をもって耳を傾けられること、自分のトレーニングの計画を信じられることです。成功への唯一の道のようなものはありません。
- 身体の声に耳をすますようにしている。疲れたら休み、元気になったら走る。これまでの経験から学んだのは、紙の上ですべてを計画し、それで正しい選択をしたと考えるのではなく、身体と感覚に意識を向け続けること。それは事前に書き留めた計画より重要。
- アスリートは、パフォーマンスを上げるために積極的に何かをして、そのことで自信を深めたいと思うのです。彼らが何より求めているものは自信です。自分の身体をケアし、リカバリーを促すためにできることはすべてしているという感覚を持ちたがっているのです。
- 試合当日、選手にとって一番必要なのは自信です。プラシーボの儀式が自信を高めてくれるなら、それを否定する意味はありません。主観的な感覚こそアスリートにとって極めて重要なのです。
- フィットネスはリカバリー期間中に高まると信じている。
- 年とともにリカバリーに時間がかかるようになるのは変えられません。変えられるものは何をして過ごすかです。新手のリカバリー手法を次々と試し、できる限りのことをしたという自信を深めるか、シンプルに考え適度で注意深いアプローチをとるかはあなた次第です。
73 . 7つの習慣(スティーブン・R・コヴィー)
- 自分の人格に基本的な欠陥、二面性、あるいは不誠実を持ちながら、テクニックや手法だけで人を動かしたり、仕事をさせたり、士気を高めようとすれば、長期において成功することはできない。
- その人の趣味にあたかも興味があるふりをし、テクニックや殺し文句、はやりのファッションなどを使い、良い印象を与えることは可能だろうが、こうした二次的なものだけでは、なんら永続的な価値を生み出すことはできない。
- パラダイムを見つめることなく、表面的な行動や態度を変えようとしても、長期的にはほとんど意味がない。周りの人との接し方もパラダイムによって決まるということだ。自分では客観的にかつ正確に物事を見ているつもりでも、他人もまた鮮明にかつ客観的に全く違った見方をしている。
- 本当に人の話を「聴く」ためには、忍耐、自制、相手を理解したい気持ちなど、高度な人格の要素が必要不可欠である。低い人格しか持ち合わせていなくても、格好よくアドバイスをすることはできる。それは本気に相手の話を聴くという行為よりもはるかにたやすいものである。
- インサイドアウトの考え方では、私的成功が公的成功に先立つ。他人に対して約束をし、それを守る前に、まず自分自身に対する約束をし、その約束を守らなければならない。
- 習慣も極めて強い引力を持っている。後回し、短気、批判、わがままなど、生活を支える原則に反する深く根付いた癖をすてることは、弱い意志とわずかな努力だけでできることではない。しかし、その引力から脱出すれば、まったく新しい次元の自由を手に入れることができる。
- 相互依存を達成している人は、ほかの人と深くかつ有意義に関係を築くことができ、資源を自由に活用できる。しかしながだ相互依存とは、自立した人間しか選べない領域である。依存している人が相互依存に入ることはできない。人格と自制の力がないからである。
- 主体的な人は、自分の気持ちを持ち合わせている。彼らの行動は価値観に導かれており、質の高い仕事をする価値観を持っていれば、天気がどうであろうと関係ない。
- 自分の身に何がおこるかではなく、それにどう対応するかが重要なのである。
- 反応的な言葉(できない、生まれつきだ、しなくてはならない、など)の背景にある精神は責任を転嫁することである。自分の状況をすべて外的な要因のせいにする。
- 主体的な人は、努力と時間を影響の輪に集中させ、自らが影響できる事柄に働きかける。その結果、影響の輪が大きく広がることになる。
- 反応的な人は、関心の輪に集中している。他人の欠点、周りの環境、自分のコントロールの及ばない状況などに集中する。影響を及ぼせる事柄を疎かにするので、影響の輪は次第に小さくなる。
- 主体的なアプローチはインサイドアウトである。自分のあり方を変えることにより、自分の外にあるものをプラス方向に転換させることができる。
- 自分の悩みを他人の行動、条件付け、あるいは周りの状況のせいにするのはとても簡単である。しかし私たちは、自分の行動の責任をとることができる。私たちには反応を選択する能力(Responsibility)がある。自分の人生をコントロールし、自分のあり方や人格そのものに集中することにより、自分の周りの状況に大きく作用を及ぼすことができる。
- 他人のせいにしたり、彼らを批判したり無駄なエネルギーを使わないようにする。コントロールできることに働きかけてほしい。自分自身をかえるようにし、自分のあり方に集中してみてほしい。
- 自分自身にとって何が本当に大切なのかが分かっていてそのイメージを常に頭の中に植えつけ、毎日その最も大切な事柄を優先する形で自己管理をすれば、人生はなんと大きく変わってくるだろう。
- 収入、職業能力、地位を高めようと必死にがんばり、その成功意欲の強さあまり、本来最も大事な事柄を見失い、取り返しのつかな過ちをおかしてしまう人が大勢いる。
- マネジメントは物事を正しく行うことであり、リーダーシップは正しいことをすることである。マネジメントは成功のはしごを能率よく昇ることであり、リーダーシップはかけ違っていないかどうか判断することである。
- 効果的なリーダーシップのないマネジメントは「タイタニック号のデッキで椅子を片付けるようなもの」である。いかなるマネジメントの成功も、リーダーシップの失敗を補うことができない。
- 個々人の生活におけるリーダーシップの欠如はもっと深刻な問題である。多くの人々は自分自身の価値観や人生の目的を明確にすることなく、能率的な自己管理や目標達成ばかり気にして生活するのである。
- ミッション・ステートメントはあなたの憲法であり、しっかりとしたビジョンと価値観の表現である。書き上げる過程が最終的な文章とおなじくらい重要だと思う。それは書く、見直すプロセスに、人生を変える力があるからだ。
- ミッション・ステートメントから導き出された目標は、人から押し付けられた目標と違い、あなた自身の目標なのだ。そしてその目標はあなたの選択した生活の役割から芽生えてきたものである。
- 成功者たちの共通点は、成功していない人たちの嫌がることを実行に移す習慣を身につけているということである。彼らにしてみても、必ずしも好きでそれを行っているわけではないが、自らの嫌だという感情をその目的意識の強さに服従させているのだ。
- まず自分の内面であり、自分の影響の輪の中心であり、自分の人格を育てることである。自立するにつれて―主体的になり、正しい原則を生活の中心におき、価値観に基づいて誠実に優先課題を計画し、それを実行する力を育成するにつれて―相互依存を学び、充実した継続的で生産的な人間関係を築くことができる。
- 礼儀正しい行動、親切、正直、約束を守るなどの行動を通して信頼残高をつくっていけば、コミュニケーションは簡単で、効果的で即時にできるものである。
- 小さな心遣いと礼儀はとても大切である。小さな無礼や不親切、無神経は大きな(信頼残高の)引き出しになる。人間関係において、小さなことは大きなことである。
- 相手に対して正直にぶつかることは大変勇気のいることである。そのために多くの人は最も抵抗の少ない道を選び、人の陰口を言い、秘密を漏らし、他人の噂話に興じる。しかし長期においては、正直かつオープンに人と接することの方が、人から信頼され、尊敬されるようになる。
- 成熟とは勇気と思いやりのバランスである。成熟した人とは、自分の気持ちや信念を表現する勇気と相手の気持ちや信念を尊重する思いやりのバランスがとれている人のことである。
- 「欠乏マインド」とは、人生を一個のパイと見て、他の人が大きな一切れを取ると、自分の取り分が減ると考える。名誉、評判、権力、利益などを人と分かち合うことはとても難しい。
- 「欠乏マインド」の人は、ひそかに他人の不幸を望んでいる。お互いの相違点や意見の違いを相手の反抗や反発ととらえるので、チームプレーヤーになることはできない。
- 「豊かさマインド」とは、深い内的価値や安定、自尊心から生まれるものである。すべての人を十分に、それ以上に満足させることが可能であるというパラダイムである。
- 「豊かさマインド」は、他の人と接しながら無限の可能性があることを認め、新しい創造的な代替案や第三案をつくりだす。「公的成功」とは、他人を負かすことではない。関係づくりに成功することであり、相互利益を獲得することである。
- 人間関係において、効果的なコミュニケーションを図りたければ、テクニックだけではダメなのだ。信頼を築き、相手が本音で話せる人格の土台の上に、スキルを積み重なていかなければならない。
- 感情移入とは、相手の見地に立ち、相手の立場から物事を眺め、相手の見ている世界を見ることであり、パラダイムっを理解し、相手の気持ちを感じることなのだ。
- 感情移入では、耳だけでなく、目と心も使って聴かなくてはならない。またそれは、自分の自叙伝を映したり、相手の考え、感情、動機などを勝手に解釈したりせず、相手の頭と心の中のありのままの現実を見ることである。つまり理解しようと思って聴くのだ。
- まず理解しようとすることこそ、人生のあらゆる場面に作用する正しい原則である。
- 昔のギリシアでは素晴らしい哲学があった。それはエトス、パトス、ロゴスという順序だてられた三つの言葉で表現されている。「エトス」とは信頼性、「パトス」は感情移入、「ロゴス」は理論である。
- 本当に相手の話を聴くと、相手に影響される。しかし、人に影響される余裕を持つことこそ、他人に影響を及ぼすカギである。影響の輪が広がり、関心の輪にあった様々な事柄に影響を及ぼす力を、あなたはついにもつようになる。
- 自叙伝を一度棚上げして、誠意をもって相手を理解する努力をしてみるといいだろう。ほかの人が心の奥底を打ち明けてくれなくても、感情移入はできる。
- まず理解することを求めよ。問題が起こる前に、評価したり処方したりする前に、自分の考えを打ち出そうとする前に、まず理解しようとする。それが相互依存の強力な習慣なのだ。
- 本当に効果的に人生を営む人というのは、自分のものの見方の限界を認め、他の人のパラダイムと考えに接することによって得られる、豊かな資源を活用する謙虚さを持っている人である。
- 自分自身の思い、自分自身の考え方そのものを根本から変えることができない人間は、周りの世界を変えることは一切できないということである。
74 . DIE WITH ZERO(ビル・パーキンス)
- 金を無駄にするのを恐れて機会を逃すのはナンセンスだ。金を浪費することより、人生を無駄にしてしまうほうがはるかに大きな問題。大切なのは、自分が何をすれば幸せになるかを知り、その経験に惜しまず金を使うことだ
- 人生でしなければならない一番大切な仕事は、思い出づくりです。最後の残るのは結局それだけなのですから。
- キリギリスはもう少し節制すべきだし、アリはもう少し今を楽しむべきなのだ。この本の目的はアリとキリギリスの生き方の中間にある最適なバランスを見つけることだ。
- とにかく早い段階で経験に投資すべきだ。そうすれば年齢を重ねるほどに驚くほど多くのリターンが得られる。
- 経験から価値を引き出しやすい年代に貯蓄をおさえて金を多めにつかう。
- 実際のところ、私たちが思っているほど先延ばしできない経験は多い。
- 最大の後悔は「勇気を出して、もっと自分に忠実に生きればよかった」2番目に多かったのは「働きすぎなかったらよかった」
- 10年区切りのバケツを3個作り、今後30年間に何がしたいかを考えることから始めてみよう。子どもが成長して次の段階に移るまでに、一緒に何がしたいかを考えよう。
- 大胆に行動するための3つのポイント。1つ目は、人生の早い段階が良いということだ。若い頃のほうが失敗のダメージは少なく、成功して得られるメリットは大きい。 2つ目は、行動をとらないことへのリスクを過小評価すべきでないということだ。同じ場所に留まれば安全に思えるだろうが、それによって何かを失っている可能性にも目を向けるべきだ。 3つ目は、「リスクの大きさ」と「不安」を区別することだ。人は不安に襲われると、実際のリスクを過度の大きく見てしまう。