2017 (H29/社17/38歳)
- シーズンベスト:14"35 (+0.8) (関西実業団/長居) [2017関西実業団決勝]
- M35シーズンベスト:14"12 (+0.3) (香川マスターズ/屋島)
- 日本ランキング:100位
- 兵庫ランキング:5位
- 主要大会結果:兵庫選手権優勝/近畿選手権6位/関西実業団4位
2017/4/8 春季記録会 (ユニバー)
- 14"93 (-0.7) (3着)[2017春季記録会]
昨年度(2016年度)は、何か新しいことに挑戦したいと締めくくったが、今年から2年間は、兵庫教育大学の大学院で学ぶことに決まった。練習環境が大きく変わる。自分にとっては38歳、39歳で過ごす学年(一般的には39歳、40歳になる学年)である。30代最後のこの2年、数学についてより広く、深く学ぶとともに、競技についてもさらなるこだわりを持って、自分の殻をやぶってやろうと思う。今主に考えていることは次の4つ。
- 年齢別日本最高記録38歳14"37、39歳14"36の更新
- 110mJH兵庫記録14"00の更新
- 兵庫選手権V10達成
- 世界マスターズ(2018スペインマラガ、2019ポーランドトルン(室内)出場検討)
今年は3月の記録会には出場せず、例年よりすこし遅い開幕となったが、試合に出なくても出ているような流れで練習をしてきたつもりなので、いつも通りといった結果になった。ただ、完全にスタートで失敗したので、内容的には改善の余地がまだまだある。この日のスターターが、たまたま長田高校陸上部で一緒にやっている井上先生だなと気づき、よしと意気込んだが、完全に出遅れてしまった。今後は5月3日の郡市区対抗を経て、5月21日の関西実業団につなげていく。
2017/5/3 郡市区対抗 (ユニバー)
- 予選 14"94 (-1.7) (1着)
- 決勝 14"69 (-1.4) (3着) [2017郡市区決勝1] [2017郡市区決勝2]
春季記録会が終わった次の月曜日から大学院での授業が始まった。昨年までも研修会や研究会には参加していたものの、日々の業務の合間を縫って行うそれらと、学生として受ける講義とは全然違う。とても新鮮で毎日が充実している。自分が学びたいと思っていたけどやれなかったことも思い切ってできる。例えばこのホームページのデザイン。18年前のHTMLの知識で、テーブルやフレームを用いたレイアウトを行っていたが、現在ではそのようなレイアウトは推奨されていない。 以前から、CSS(スタイルシート)でのwebレイアウトについて興味があったが、なかなか勉強する機会が持てなかった。そこで先日、CSSに関する書籍を大学附属図書館で2冊借りた。そんなことができる。 練習環境についても、入学前は心配していたが、兵庫教育大学には400mのアンツーカーのトラックと、70m程のオールウェザーの直走路(跳躍ピット)があり、ハードル、スタブロも十分なものが備え付けられている。先日はその跳躍ピットの端にハードル用のポイントを打っておいた。トレーニングルームも充実しており、春季記録会以降どうしようかと考えていたが、大学内の施設で満足のいく練習ができる。
まずはこの郡市区に向けて、トレーニング量を増やす期間を設け、試合前は思い切って練習量を減らした。非常に集中した密度の濃い練習ができている。3月ごろに買って読めていなかった2冊の本「動ける身体を一瞬で手に入れる本(中嶋輝彦)」「トップ・アスリートだけが知っている「正しい」体の作り方(山本邦子)」も参考に、「動く身体を作る」という目的意識を強くもって練習できた。似たような本は他にもたくさん読んだが、共通するツボがある。
さて、今日のレースであるが、決勝では向かい風の中14"6台。動きの感覚もよく、絶対評価をすれば「順調」といえるが、相対評価をすると「ちょっと残念」。予選のタイムは4番目ではあったが、リラックスして走った中での記録だったので、メンバーを見ても勝てる可能性は十分にあると考えていた。後半徐々に追い上げ、焦る学生連中を抜かしてフィニッシュというレース展開を想定していたが、結果的にまったく逆になった。社高校徳岡君が8台目以降スルリと私を含む先行する2名をかわして1着。夏期合宿や年末合宿などで指導している選手なので、冷静なレース展開を褒めてやった。今回は勝負にこだわっていたわけではない。絶対評価が良ければそれでよい。
順調な仕上がりが確認でき、次からは本気で勝負の試合が続く。まずは5月21日(日)関西実業団(長居)、2週間後に6月4日(日)布勢スプリント(鳥取)。いずれも高速トラックで有名な競技場。下記の通りこの2試合で38歳日本最高14"37を上回る。少し期間を空けて、兵庫選手権前の刺激入れに7月1日(土)香川マスターズ(屋島)。ここもこの春改修されたばかりの競技場で好記録が期待できそう。目標は110mJHの兵庫記録14"00の更新。それをステップにして7月8日(土)が兵庫選手権。タイム云々ではなくここは勝負。とにかく勝つこと。10回目の優勝を目指す。
2017/5/21 関西実業団 (長居)
- 予選 14"47 (+0.1) (1着) [2017関西実業団予選]
- 決勝 14"35 (+0.8) (4着) =38歳日本最高 [2017関西実業団決勝]
春季記録会の欄で掲げた3つ今季の目標のうちのひとつを達成することができた。38歳日本最高記録(14"37 2013 吉岡)の更新である。予選ではこの記録に0"1秒届かなかったが決勝では0"02秒上回ることができた。理想的には、順位ではなく記録を狙いに行っているので、予選からきちんと走りたかったという反省は残るものの、決勝では気持ちの良いレースができた。 振り返ってみると、予選では後続に結構な差をつけて1着になったということもあり、レース中盤以降の微妙な緊張感というか気持ちの入り具合(別に力を抜いているわけではない)の部分でやや甘さがあったように思う。 逆に決勝では、レース前から周りのメンバーの集中の度合いも高くなってくるので、そのような雰囲気にも助けられ、かつちょうどよい具合に競り合う形になったので、前述の部分が改善され、結果として自分なりに納得のいく走りが出来た。フィニッシュした後に速報が出るのを待つ時間があるのだが、久しぶりにレースに対する手応えを感じながらその時間を過ごせた。
さて、今季掲げた目標のひとつを達成したわけであるが、目標の設定具合がちょうど良かったという見方もできる。自分の力を客観的にとらえて、うまく行けば届きそうなラインが目標としてはちょうど良い。以前は何が何でも13秒台であり、その目標ラインを下げることに対する負い目があったような気がする。 目標の上にある「夢」としてもちろん今でも13秒台はある。もう一度自己記録14"05を更新したいという夢もある。しかしそれを成し遂げるためには、それなりの準備が整っていなくてはならない。 すなわち、ただ順調にトレーニングを積んで試合に臨むだけでは不十分で、その時に自分の中で「今回は13秒台(または自己記録)が狙えそうだ!」という確かな手応えを持てていなければいけない。今回の14"35はそれらの「夢」に対する事前準備の段階にはなりえるだろう。
昨年は、この後兵庫選手権の優勝を目指すサイクルにシフトしたが、今年は、38歳日本最高という目標を達成したため、本来の出場意義がやや薄れてしまった「布勢スプリント」が2週間後にある。 兵庫選手権への流れも踏まえたうえで、この2週間は、いつもよりやや積極的な調整(練習強度や量を変える)を行ってみてはどうかと考えている。通常は今週は質と量を確保し、来週は完全に落とすという流れであるが、大きな部分は踏襲しつつ、細かい部分でちょっと違ったアプローチをしてみようかなと思っている。 そのような取り組みは、兵庫選手権に向けてのピーキングにつながるという確信もある。次の布勢スプリントに向けては思い切った、積極的なトレーニングプランを立てて挑戦したい。 布勢スプリントは国内トップクラスのハードラーが多数参加しており、昨年改装されたばかりの高速トラック、風向きによって走る方向を変えるなど、非常に条件が良い大会である。このような条件を生かして、今回の記録をさらに上回ってやろう。 それと最後に、近年シーズンベストが14"3台に安定している背景に、インターバルランのリズムのステレオタイプ化があるのではと少し考えた。アプローチの技術に傾倒しがちだったハードル技術練習に、インターバルランのリズムアップを意識した練習も加えてみてはどうかと思っている。苦手科目の克服と得意科目のさらなる向上。教師がよく使うこの言葉に似ている気がする。
2017/6/4 布勢スプリント (布勢)
- 第1レース 14"45 (+1.9) (6着) [2017布勢スプリント第1レース]
- 第2レース 14"36 (+3.4) (2着) =追風参考 [2017布勢スプリント第2レース]
いつのよりほんのの気持ち積極的な調整を行って出場したが、感覚としてはやはり前回がピークで、今回は峠を少し越えた状態であったように思う。 悪い感じはなかったが、絶好調という感じでもなかった。関西実業団と布勢スプリントをセットにして目指すことは中々難しい。 ただ、この大会は記録を狙うにはもってこいの大会ではあるので、来年以降も出場を検討する価値は十分にある。 ただし、布勢のトラックのサーフェス「super X」という素材は、劣化しやすい素材であると私自身が感じているので、 昨年全面改装されたということも踏まえて、今後数年間が私にとっての賞味期限である。 さて、強い追い風と高速トラックに助けられたとはいえ、14"3~4で走れたことは今日の収穫であった。 関西実業団の決勝のレースは手応えを感じた走りが出来た結果の14"35、一方今日の第2レースはそれほど手応えがなかった結果の14"36W。 調子を落としつつよい状態をキープできているといえる。今後はトレーニングを積んでいく中で、一時的にもう少し調子を落としてから、立て直す流れになるが、 練習の質や、スピードレベルなどを自分なりに保った状態でトレーニングを消化し、兵庫選手権へとつなげたい。 次の目標は兵庫選手権で勝つこと。 今後5週間の流れは、1、2週目を強化練習、3週目を回復週、4週目は刺激入れと、週末に香川マスターズ。そのレース自体も兵庫選手権への刺激入れととらえ、5週目は完全調整。 天候等で予定をやや入れ替えることもあろうかと思うが、これで間違いない。練習の質、スピードレベルにこだわって、トレーニングを継続したい。
布勢スプリントは、国内トップクラスの選手が多数出場してくる。その中で感じることも多い。 高山選手(ゼンリン/自己ベストは13"5台)とアップで同じになることが多く、観察しているとハードルに対するインパクトがとても強かった。 第2レースを制した増野選手(ヤマダ電機/自己ベストは13"5台)も同様のイメージ。 今の日本のトッパーを牽引している大室選手や矢澤選手は比較的小柄で、彼らからは圧倒的な跳躍力を感じる。 以前なら、古川選手や青木選手なんかが同様のイメージで、モーゼス選手などは高山、増野タイプであったように思う。 どちらが私に向いているかという議論は難しいが、今自分が感じていることはハードルに入る時の「インパクト」の大切さである。 先月あたりから「インパクト」と表現して自分の中でイメージしていることがある。私はそれが甘い。 もっと胴体を面としてとらえて「ドン!」とハードルにアタックできるのかなと思っている。 そういう意味では、高山、増野、モーゼスのイメージは今の私の良いお手本となる。 小手先で動きだけを真似しても、本質的には全然真似できていないことはよくあることだが、 自分なりに本質を見抜いて、そんなイメージを持つことが記録の向上に寄与できればと思う。 関西実業団の後に感じた「インターバルランのリズムアップを意識した練習」と合わせ考えて、 ハードル練習ではしばらくリズムドリル中心に行いたいと思う。 試合が終わってから100mの選手のアップも少し観察した。当然のことながらハードルと違い100mを走るだけなので、より走るということを追及している。 セットスタートからのスタートを意識したスプリントをやっている選手が結構いて、こういう動きづくりも面白いなと感じた。 今でもやってはいるが、ついついハードルを置いた実践的なアプローチの練習が増えているので、 ブロッククリアランスや、セットスタートからのスプリントを積極的にやってみようかなと思った。 「スタートダッシュドリル」「ハードルリズムドリル」。この2つが今後やるべき私のメニュー。その中で意識を高く、質を落とさず。それが兵庫選手権優勝への道となる。
2017/7/1 香川マスターズ (屋島)
- M35 110mH(0.991m) 14"12 (+0.3) (1着)
兵庫選手権まで、ちょうど後1週間。調整の意味合いも持たせて出場した今年の香川マスターズは、 110mH(0.991m)としては、2015年世界マスターズ決勝で記録した14"05(+1.5)に次いでのセカンド記録となる14"12(+0.3)であった。 布勢スプリント後、予定通り2週間はきっちり練習をして、3週目(先週)はやや練習量を落として疲労抜き、 4週目(今週)は兵庫選手権の2週間前の週になるので、月火は強めの練習をして、水木金は軽めまたはレスト、そして今日土曜日が試合(兵庫選手権)に向けての 最終ポイント練習という位置づけであった。 通常、試合の週は、月火の段階から軽めのメニューで調整を行うので、今回は通常より積極的に練習をこなした中での試合となったが、 とても身体が動く状態に仕上がっていることが確認できた。 アップでのリズムドリルでは、久しぶりに「動いているな!」と実感できた。 ただ、試合の中ではさほど動いている実感はなく(記録が出るときはこんなことが多い)、あっさりと走って14"12であった。 結構強い追い風が終始吹いていたので、追い風参考だけど、ジュニアハードルだけど、ひょっとしたら本当に13秒台が出るんじゃないかという期待感もあったが、 それについては今回もまたお預けとなった。 今シーズンのマスターズの試合は、まだ計画中であるが、10月の大阪(ヤンマーフィールド長居)、全日本(紀三井寺)が候補。狙うとしたらそこしかない。
さて、今年の香川マスターズは、この4月に改修工事が完了した新屋島「レクザムフィールド屋島」で開催された。コンパクトな設計で、 第3コーナーから第4コーナーのすぐ外側にあるスクリーンが独特でかっこいい。練習のしやすさが重視された室内練習場には棒高跳のピットまである。 非常に素晴らしい競技場であった。お気に入りの競技場になりそうだ。 香川マスターズは、いろんな意味で楽しめて、記録的には少し残念だったけど、非常に良い実践練習になった。兵庫選手権まであと1週間。 動く身体はできているので、毎度のことながら、ブロッククリアランスから1台目の入りの確認を練習で行い、今回の「型」を確定させる。 そして、試合では無心で走る。今年こそ本当にV10が達成できそうだ。本気でそう思えている。
2017/7/8 兵庫選手権 (ユニバー)
- 予選 14"55 (-1.3) (1着)
- 決勝 14"40 (-1.2) (1着) [2017兵庫選手権決勝]
今年は狙える、本気で狙って勝ちにいって、狙い通りに優勝することができた。 4年前に9回目の優勝をして以来、長田に来てからは3位、4位、2位と優勝から遠ざかっていた中、 4年ぶりの優勝でV10を達成した。 これで4月に掲げた目標3つのうち2つを達成したことになる。 残すは110mJH兵庫記録14"00の更新のみとなった。
先週の香川マスターズで感じたとおり、身体は確実に動いてきていたので、 スタートからの「型」を確定させる、ということを第1の課題として最終調整を行った。 スタートの技術については、複数のイメージを持っており、しっくりくるイメージがその日その日で異なることがある。 例えば、ブロックを設置する位置ひとつとっても、その日その日で、しっくりする位置が異なることがある。 従って、いつでも使える完璧な「型」はないような気がしているが、 迷いがあっては絶対に良いスタートは切れないので、今回の兵庫選手権用の「型」を決定しようというわけである。 イチローがバッターボックスに入るときにあるルーティーンを持っていることは有名で、そんなルーティーンを次のように確定させた。
- スタートラインの前に右足をついて立つ。
- 両手をできるだけ遠くの地面について、左足からブロックにつく。
- 次に右足をブロックにつき、右の膝はできるだけ後ろに引きつける。
- 両腕と左足(前足)の3点でバランスをとる。
- 後ろ足からスタートして、1歩目はできるだけ素早く近くにつく。
レースでは練習でやってきた通りの技術が再現でき、想定通りの試合展開ができた。満足のいく走りでができた。
さて、これで今年も前半が終了。すでに、今日のレースを振り返る気持ちより、秋にどんな目標を設定して、どんなスケジュールを組むかということに関心が向いている。 確定している試合は、9月2日近畿選手権(三木)と9月24日全日本実業団(長居)で、近畿選手権をステップにして、全日本実業団で記録を狙う。 そこでは、関西実業団で記録した14"35を上回る14"2台を最低目標にしたい。そこから先の自己記録14"05、さらには13秒台を本気で狙おうと思うためには、 近畿選手権でそれなりの手ごたえをつかむ必要があるだろう。近畿で14"2台が出れば、本気でそれらを狙っていけそうだ。 その後については、未確定だが、前述のとおり110mJH兵庫記録14"00の更新が課題として残っているので、 マスターズの大会を中心に出場することを検討している。具体的には10月14日大阪マスターズ記録会(長居サブ)、10月28日全日本マスターズ(紀三井寺)。 また、これらの試合では、100mや200mに挑戦するのも面白いかもという気持ちもある。 今季は身体が動き、よく走れているので、うまくいけばともに2010年に記録した自己記録、 100m11"14(+0.1)、200m22"54(+1.7)を更新できそうな気がしている。
2017/8/11 三校定期戦 (ユニバー)
- 200mH 24"76 (-2.2) (1着)
強い向かい風にも関わらず、まずまずのタイムが出て、今年は走れていると再確認することができた。 14秒0、1台で走っていた2009、2010年頃よりもタイムが良い。自分の中での自信としたい。 兵庫選手権後は、3週間みっちり練習をして、その後の3週間は、真夏の暑さを考慮して練習頻度を落として、 質が下がりすぎないように、疲労がたまりすぎないように、ベースが落ちないように、ということをポイントに練習を継続している。 ただし、試合の間隔が空くと、どうしても、競技に対する姿勢も低下しがち。 夏休みを満喫しつつ、そろそろ競技者としての意識も高めていかなければと感じている。 メニューをこなすだけではなく、意識的な練習をすることが大切。ただやっただけの練習にならぬよう、 暑さに負けず、集中して練習しよう。
年 | 三校200mHの記録 | 風 | シーズンベスト |
2009 | 24"95 | -2.1 | 14"16 |
2010 | 24"93 | +0.0 | 14"05 |
2012 | 25"57 | -0.6 | 14"41 |
2013 | 24"72 | +1.5 | 14"32 |
2014 | 25"02 | +0.4 | 14"37 |
2016 | 25"32 | -1.0 | 14"39 |
2017 | 24"76 | -2.2 | ??? |
2017/9/2 近畿選手権 (三木防災)
- 予選 14"59 (+2.5) (3着)
- 決勝 14"47 (+1.6) (6着) [2017近畿選手権決勝]
秋のシーズンの最大目標である全日本実業団へのステップとうい位置付けの大会なので、 きちんと調整して出場したものの、大きな流れの中で考えれば状態は80%から90%の仕上がり具合。 その中での、決勝での14"4台は自分としては十分評価できると感じている。 今後うまく仕上げれば、シーズンベスト14"35の更新は十分に期待できるし、久しぶりの14秒2台も視野に入ってくる。 全日本実業団(長居)ではベストを尽くして、最高の結果を残したい。今年から参加標準記録が大幅に引き上げられ14"50となったが、 予選は5組(4着+4)で準決勝もある。準決勝で勝負したい。目標タイムは次の通り。
- 13"99(13秒台)
- 14"05(自己記録)
- 14"29(7年ぶり14"2台)
- 14"35(シーズンベスト)
さて、最近考えていることに春のシーズンと秋のシーズンの違いということがある。 春は長いオフ(冬季練習)終えて、久しぶりの実戦になるので、技術を作り上げていく感じが強い。 春は試行錯誤を重ねて、そのシーズンの型を作っていく。 それに対して、秋のシーズンは、春のシーズンで作った型を再現しようとする傾向が強い。 秋は春に得たものを再現しようとして動きを繰り返す。 ところが、同じ動きを求めたとしても、試行錯誤している中で出現する動きと、 再現しようとして出現する動きには、感覚的に違いがある。 試行錯誤して獲得した時のほうが感覚的には良い。 よって、秋のシーズンも春同様、試行錯誤して、今年の秋バージョンの動きというものを求めなければならないと感じている。 変化することが進歩なのだ。 具体的に今一番考えていることはやはりスタートの局面。 「set」で腰を高く上げすぎて、背中のナンバーカードがゴール方向から見えるような状態になっているので、 立ち上がりがどうしても遅れる。昔の動画を見ても、もう少し腰が低い。地面に対する上体の角度を抑える 形のスタートの感覚を試行錯誤してつかむこと、それが技術面での一番の課題である。
もうひとつ思うことは、秋はタイムが出ているのにもかかわらず、動いているなと感じにくいということ。 春はあまりタイムが出ていない段階から「動いてきたな」と感じ始めるが、 秋は逆にタイムが出ている割には「動いているな」と感じにくい。 まさにウェーバー・フェヒナーの法則ではないかと思った。 ウェーバー・フェヒナーの法則とは、刺激の強さを強めていくにしたがって、感覚の強さは初め急激に変化するが、 しだいにその増加率が緩やかになっていくという法則である。 スピードという刺激に対して、春は変化を感じやすいが、秋は変化を感じにくい。 すなわち秋は、最初からある程度高いスピードレベルで入っていくので、スピードの上がり具合(変化)を感じにくいということだろう。 「動いているな」という感覚を持てることは大切なことではあるが、 そのようなことも理解しつつ、自身の感覚と向き合うべきであろう。
全日本実業団までは3週間、最善の準備をして、最高の結果を得よう。心身共に充実してきた。
2017/9/24 全日本実業団 (長居)
- 予選 14"60 (-0.8) (3着) [2017全日本実業団予選]
- 準決勝 14"57 (-0.2) (5着) [2017全日本実業団準決勝]
今年最後のハイハードルのレース、17回目の全日本実業団は全く満足ができない結果に終わった。 今となっては、春のシーズンが順調だったので、好い時もあれば悪い時もあると割り切って受け止めている。
この全日本実業団は、昨年から3年連続で長居で開催されることが決まっており、今年はその2年目。 いろんなイベントを行うなどして、非常に盛り上がりを見せている。 前日に選手受付と練習会場の下見を行ったときに、今までと明らかに違う雰囲気を感じ、 やっぱりこういう大会に出ないといけないなと実感した。 アップ場でも同じように感じた。私は、サブトラックよりも室内練習場でアップすることを好み、 主に室内でアップを進めているのだが、今回そこにいたハードラーが、和戸選手と高山選手(いずれも13秒台、今の日本トップクラスの選手)。 時々目に入ってくる彼らの動きからは本当に大きな刺激を受ける。中途半端な技術練習をしていてはだめだと痛感する。 やっぱりこういう大会に出ないといけないなと改めて実感する。 全日本実業団については、目標の20回出場まであと3回。絶対達成したい目標のひとつである。 出場するだけでなく、納得のいく結果を残したい。
さて、今回不本意な結果に終わった原因の一つに、「鼠蹊部の痛み」があった。 2011年から2012年に慢性的に抱えていた痛みに似ている。 8月の上旬ごろからスキップ動作に違和感が出てきて、最初は違和感であったが、徐々に状態が悪化。 最近は動きによっては「痛み」を伴うようになってきた。 現状、それをかばいながらの練習になっている。 大きな筋肉の痛みではないので、痛みさえ無視できれば走れるような錯覚に陥るが、 細かい筋肉の関与が、走りやハードリングに微妙に影響しているようにも思える。 ただ、そのような中でも、やることはやらねばと練習はこなしてきており、 試合10日前の100m加速走では、兵教グランド(土)ベストとなる10"6台、 今年から取り入れているパワーマックスのハイパワートレーニングの数値も明らかに良くなってきている。 身体は確実に動いてきているととらえていたが、今回の結果には結び付かなかった。 痛みとうまく付き合い、動いてきていると思われる身体の状態を維持、またはさらに状態を高めていけるよう、トレーニングを進めていきたい。 今までにもやってきたように、これから先の秋のシーズンは、 特に今年は痛みの件もあるので、あまり型にはまりすぎないよう、 その日の体調、気分、天候、などに合わせて柔軟に、身体と頭が欲する練習をやっていきたい。 今後は、予定通りマスターズの2試合(大阪、全日本)をターゲットにして、 110mH(0.991m)での13秒台、100m、200mの自己記録の更新を目標する。
最後に今読んでいる本「GRIT-やり抜く力」より。
もしあなたが自分の子どものやり抜く力を引き出したいなら、まず自分が人生の目標に対して大きな情熱と粘り強さを持って取り組むこと。私の挑戦はまだまだ続く。
2017/10/14 大阪マスターズ記録会 (長居サブ)
- M35 110mH(0.991m) 14"32 (+0.2) (1着)
- M35 100m 11"42 (+0.5) (1着)
- M35 200m 23"03 (+0.2) (2着) [2017大阪マスターズ200m]
ジュニアハードルでの13秒台と、100m、200mの自己記録を目標に掲げエントリーした秋のマスターズ連戦の第1戦、大阪マスターズ記録会。 どの種目もさえない結果に終わった。 全日本実業団後の3週間は、股関節周辺が相変わらず(動きによっては)痛いという状況があったので、 グランドでの練習(ハードルやスプリント)を減らし、 トレーニングルームでの練習(ウエイトやパワーマックス)を増やしてトレーニングを継続してきた。 その中での収穫は、パワーマックスの利用価値についての発見。 負荷値や時間等を工夫することで、 いろんなアプローチのトレーニングが出来るということを確認できた。 結果はいまいちであったが、身体の状態は、痛みはあるものの、まずまず動いているという感じ。 決して悪くはない。走る練習量を減らしても、そこそこ維持はできているということか。 スプリントトレーニングを減らしている中での今日の3本は、非常に良い練習になった。
久しぶりに他種目にも出場してみて、 100m、200mの記録はあまりに平凡で、 やはり自分はスプリンターではなくハードラーだなと実感。 特に200mは、練習でもよく走る距離なので100mよりは自信があったが、 3種目目ということもあり、M35のクラスで2着。少し悔しかった。 ならば全日本マスターズの200mでリベンジを、というのがいつもの発想だが、今回は少し違う。
2週間後の全日本マスターズは、金曜日に200m、土曜日に110mHと100mという競技日程。 金曜日に200mを走る負担は、今の身体の状態だとかなり大きそうだ。 200mでもう一度という気持ちもあるが、次回は200mは欠場して、110mHと100mに絞ろうと思う。 ジュニアハードルでの13秒台と、100mでの自己記録が目標になる。 思い切った形で、瞬発的なトレーニングに重点を置いた練習を行い、2週間後を目指す。 ジュニアハードルに関しては、ハードルが低すぎて逆に動きがぎこちない感じもあるので、 ハードルが低くなるというアドバンテージをもっと生かすことができれば、13秒台は十分に可能だと思っている。 その部分に関して、ちょっとしたコツをつかみたい。 技術的な改善は、必ずしも漸進的なトレーニングが必要という訳ではない。 もう一度気持ちのスイッチを入れなおして、今年の最後、納得のいく形で締めくくりたい。
2017/10/28 全日本マスターズ (紀三井寺)
10/18
大阪マスターズで3本走ったことは、思った以上に身体に負荷を与えていたようだ。 大阪マスターズから4日後の本日はハードル練習。股関節が痛くて思い切った動きができず、さっぱりの内容となった。 ハードルが終わってから走るか走らないか少し迷っていたら、いつもタイムを計っている時計の液晶画面が消えていた。 陸上の神様が走るなと言っているんだなと解釈し、走らず練習終了。 この状態で試合に出て意味があるのか? 出たとしても大した結果は得られないのではないか? そもそも走れるのか? 来シーズンに向けて移行期に入った方がいいのではないか? こんな思考が頭を巡る。 でも諦めるのは性に合わない。1日1日やれることをやるしかない。なんとか前向きな気持ちを維持しなくては。 練習終了後に時計を見ると、液晶画面が復活していた。
10/20
今週は秋雨前線が停滞し本当にずっと雨が降っていた。今日も朝から雨が降っている。 今日の練習は、予定ではウエイト&パワーマックスで刺激入れだったのだが、 2日前の練習があまりにもひどかったので、もう一度ハードルをしようかという迷いが生じていた。 ハードルを跳んで「いける」という感触を早くつかみたい、早く安心したいという焦りから生じた迷いであると 自分なりに分析している。 そんなところに今日も雨。陸上の神様は「走るな」と言っている。 結果的にトレーニングルームではよい練習ができた。
10/21
超大型の台風21号が明日、日本列島に接近するらしい。 よって、明日実施予定だった初動負荷トレーニングを繰り上げて本日行う。 じっくり体をほぐしてバランスを整えた。
10/24
試合前最後のハードル練習。土曜に初動負荷トレーニングを行い、日月はレスト。 満を持して臨んだ今日の練習だったが、かなり気になるレベルで痛みがあり、 痛みを無視すればできるかもしれないが、精神的な面で動きを制限している。 痛みを意識するために、思い描く動きができない。 こんなんでやっても意味がない。やれるだけの準備をしてきて、踏ん切りがついた。 今日、全日本マスターズの欠場を決めた。ホテルもキャンセル。今シーズンが終わった。
- M35 110mH(0.991m) DNS
- M35 100m DNS
- M35 200m DNS
8月頃から股関節に違和感が出てきて、徐々にそれが痛みへと変わっていった。 9月の近畿選手権、全日本実業団、10月の大阪マスターズ記録会と、 ごまかしごまかし出場してきたものの、振り返って考えれば、試合を重ねるごとに痛みが増していったような気がする。 大阪マスターズでは、全日本マスターズへの練習だと位置付けて3本走ったが、身体の回復機能が追い付かなかった。 やろうと決めた試合を「諦める」ことに対する抵抗感が強く、なかなか踏ん切りがつかなったが、 やれるだけの準備をしてそれでも準備が整わなかった、 今の状態で試合に出ても満足のいく走りができない、 今ゆっくり休んで冬季練習に備えたほうがよい、 そもそも自分の気持ちが「走りたい!」となっていない、 様々な自分にとっての理由付けを考えた結果、欠場を決めた。 私にとっての陸上面白さとは、「単に試合に出ること」ではなく、 「最大限の準備をして、自分が納得のいくパフォーマンスを発揮できる状態に仕上げて、試合に出ること」 なのであろう。
社会人17年目のシーズンもこれであっという間に終わった。 春先から調子がよく、兵庫選手権まではとても順調だった。 今年掲げた目標のうち、38歳日本最高の更新と、兵庫選手権V10というふたつの大きな目標を達成できた。 しかしその後は股関節の痛みもあり、思うような結果は出せなかった。 なかなか思うように物事は運ばない。 近年毎年のように思っていることではあるが、全日本実業団以降の10月のモチベーションの維持が難しい。 最初から割り切って9月末で終了にすればよいものだが、申し込みの段階では、可能性を感じてしまうから仕方がない。 問題の痛みについては、徐々に痛みの感じや部位が変わっていくのが分かった。 最初にある部分の炎症が起き、その後はその周囲に炎症が移って行ったような気がしている。 しばらく安静にしようと思う。そして、心身ともにフルに充電してから冬季練習に入りたい。
最後に、今の段階で思い描いている今後のことをまとめておこう。 世界マスターズは、2018年9月にスぺイン・マラガで、2020年7月にカナダ・トロントで開催されることが決定している。 2018年のマラガ大会は9月に開催され、学校現場で勤務していれば出場のための調整が必要な時期になるが、 大学院2年目となる来年なら、夏期休業中であり非常に行きやすい。大学院時代のひとつの思い出にもなる。 39歳9ヶ月での挑戦となり、M35クラスでの戦いという意味では一般的に不利にはなるが、2度目の世界一を十分に狙えると考えている。 2020年のトロント大会は、7月下旬開催で高校の夏休みの時期になりこちらも時期的には行きやすい。 M40になって最初の世界マスターズであり、北米での開催ということでハイレベルになるかもしれないが興味のある大会ではある。 そして、2021年にはワールドマスターズゲームズ関西が行われる。2020年トロント、2021年関西の流れを作るのが面白そうだ。 全日本実業団は順調にいけば2020年が20回目の出場になる。 今年の参加標準記録は14"50。参加標準記録がこのままだとすれば、 2018年(39歳)と2019年(40歳)に14"50をクリアすることが、最低の課題となる。 ただし、その記録を目標とはしたくない。 とりあえず2018年については、39歳日本最高記録である14"36を最低目標に設定する。 年々難しくはなるが、自己ベスト14"05の更新と13秒台は最大の目標=夢として来年も持っていたい。 その他の大会では、兵庫選手権を毎年大きな目標としてきたが、今年V10を達成し、 自分の中での魅力が下がりつつある。風向き等記録が出にくいということもある。 兵庫選手権に狙いを定めるよりも、その他の記録が出やすい大会に狙いを定める方がよいかもしれない。 ただ、兵庫選手権への思い入れはあるので、シーズンの流れを考える中で調整することになりそうだ。
- 2018年 39歳日本最高14"36・世界マスターズ(スペイン・マラガ・9月)
- 2019年 全日本実業団参加標準記録の突破(2020年の出場資格記録となる)
- 2020年 世界マスターズ(カナダ・トロント・7月)
- 2021年 ワールドマスターズゲームズ(関西・5月)