46 . BORN TO RUN 走るために生まれた(クリストファー・マクトゥーガル)
- 走ることは、われわれのふたつの衝動、恐れと喜びを結びつけるのだ。われわれは怖くなると走り、有頂天になると走り、自分のかかえる問題から走って逃げ、楽しい時間を求めて走り回る。
- どうしてその老人はそんなことができたか分かるか? 誰からもできないといわれなかったからだ。
- 自分の呼吸の音に耳を澄ますのだ。背中にどれだけの汗の玉が浮かんでいるのかを知り、冷たい水や塩分のあるスナックをしっかり摂って、正直に何度も今どんな気分かと自分に問いかける。自分の身体に対して感覚を研ぎ澄ますこと。
- ウルトラランニングが素晴らしいのは、科学もなければ戦術本もなく、トレーニングマニュアルも一般の通念もいらないからだ。自由奔放な独創性こそ、大きなブレイクスルーが遂げられる場なのだ。
- 走ることを愛するというのがどんな気持ちなのか、彼らは忘れていない。走ることは人類最初の芸術、素晴らしい創造の行為であることを覚えている。
- 愛する能力と走ることを愛する能力にはなんらかの関係がある。仕組みが同じなのは間違いない。自己の欲望に執着せず、欲しいものはわきに置いて、いま手にしているものに感謝することが大切だ。忍耐強く、寛大で、多くを求めずにいること。
- われわらのかかえるあらゆるトラブル―暴力、肥満、病気、憂鬱、欲深さといった克服できないものすべて―は、走る民族として生きることをやめたときにはじまったのだろう。
- 疲労から逃れようとするのではなく、しっかり抱きしめることだ。疲労を手放してはならない。相手をよくしれば怖くなくなる。何かを真に征服する方法は愛することなのだ。
- シューズを履いているとひどく痛むのに、脱いだとたん足は水を得た魚のようだった。
- 質素なものほどいいし、最良の解決法はもっと簡素なもの。
- 足の外側で接地し、小指から親指にかけてそっと転がし、足をフラットにするだろう。これがプロネーションだ。ショックを吸収するこの穏やかなひねりがあるから、土踏まずは縮まる。
- シューズを履くのは、足にギプスをはめるようなものだ。足にギプスをはめれば6週間で筋肉組織の40%~60%が委縮するだろう。
- ベアフット支持者は依然として少数であり、従来の足病学者の考え方では、人間の足は「自然の誤り」未完成の作品であり、いつでもメスで切り刻んで矯正器具で形を変える余地があるとされていた。
- コルテッツによって、人はそれまでは安全におこなえなかった走り方ができるようになった。それは骨ばった踵で着地することだった。
- 人は年をとるから走るのをやめるのではなく、走るのをやめるから年をとるのだ。
- フィットネスにおける次の大きな前進は、トレーニングやテクノロジーではなく、テクニックの面から訪れると確信している。怪我を防ぐアスリートがライバルたちに差をつけるというわけだ。
47 . 42.195kmの科学(NHKスペシャル取材班)
- マラソンを走ることは、ゲブレシラシェにとって、どれだけ速く走れるかが問題なのではなく、自分はこれを成し遂げたいと決心することだという。年齢に対する固定観念を打ち破りたい。すなわち年齢というものはただの数字に過ぎない。
- 大金を手に入れてもストイック=禁欲であり続けられるかどうか。それが出来ずにあり余る才能を無駄にしてしまうケースが少なくない。
- マカウの練習にはコーチがいない。自分の肉体が自分が一番よく知っているからです。コーチから理論は学べますが、それが自分に適切なものかどうかは分かりません。私は自分の肉体と対話をしながら、調子やタイムを見ては練習メニューを修正し、最適なものにしていくのです。
48 . トップアスリートだけが知っている「正しい」体の作り方(山本 邦子)
- 自分だけが感じているその感覚こそが、自身のパフォーマンスや能力を最大限にする方法を教えてくれる。「感覚を大事にすること」「感覚を鍛えること」。
- 自分の身体、体重を効率よく動かせない状態でのWTの効率の悪さを感じ始めている。トレーニングをすることに満足するのではなく、そのトレーニングがパフォーマンス向上に直結して初めて意味がある。
- 四肢を自由に動かすためのコア、呼吸が最適化している状態を捉えること、コアトレの効果を最大にするためには、胸郭の柔軟性、肋骨ひとつひとつの動き、呼吸の円滑さ、頸部と肩周辺の緊張の緩和、骨盤と胸郭の関係が大切です。
- ウェーバー・フィナーの法則。元の刺激が大きくなればなるほど、我々の感覚は鈍くなる。小さな刺激から始めると、ほんの小さな変化を感じることができる。
- 自分自身の呼吸を意識しながら、指先を動かすことで、地面から足、そして脊柱を通り指先まで力が伝わる意識が生まれてきます。考えすぎることをやめ、呼吸とともに感じることを覚えれば、必ず成功へ導かれる。
- 子どもたちへのアプローチ。「呼吸を最適にできるよう潜在能力を引き出すこと」「関節のスペースというもの、そして関節の正しい位置関係を体感させること」。
- 体重を地面にのせるという感覚を覚えることが大切。右脚はおへその右側から大腰筋という筋肉でつながっている。その上で左右の骨盤は独立して個々の動きができる。右脚を一歩前に踏み出せば右の骨盤が立ち上がり、左の骨盤が少し前にお辞儀をする。
- 人とは違った方法で、自分の身体、トレーニングを組み立てることは決して悪いことではありません。
49 . 動ける身体を一瞬で手に入れる本(中嶋 輝彦)
- 「肩の力を抜け」と言われて肩の力を抜こうとしてもなかなか抜けません。ところが肩の筋肉をオフにする別の筋肉(拮抗筋)を使うことによって肩の力は生理的に抜ける。
- 漠然とこなす10回よりも正確な1回、1回目の意識よりも2回目の意識がより強い方向性。
- ロコムーブは、下肢にあるハムストリングス、上肢にある僧帽筋を別々にアプローチするのではなく、広背筋を活動させることで2つの筋肉の柔軟性を一気に取り戻します。
- 広背筋を最大限に収縮させて最大限伸張させるには片側ずつ活動させることが必須。
- 鍛えるべきは関節を曲げる屈筋ではなく、関節を伸ばす伸筋なのです。
- 地面など、自分の身体の外に向かって力を発揮するためには、関節を伸ばさなくてはなりません。 関節を伸ばす伸筋はほとんど身体の後面に存在します。しかし、世の中の基本とされるトレーニングのほとんどが身体の全面にある屈筋を鍛えるものばかりなのです。
- トレーニングというプロセスが苦しければ苦しいほど、自分の身になっていると思うのは大きな誤解です。
- ゴリラは胸を精一杯広げますし、クジャクは羽をできるだけ大きく広げます。伸筋を働かせることで、ホルモンを分泌させ積極性を引き出しているのです。
50 . 学ぶ意欲の心理学(市川 伸一)
- 自らの行動が結果に影響を及ぼしうるはずだという期待(結果期待)と、そのような行動が自分にとって実行可能であろうという期待(効力期待)によって意欲が生じる。(バンデューラ)
- 成功体験群のこどもたちは、難しい問題にあたって失敗するとそれを能力に帰属し、すぐにやる気を失ってしまう。努力帰属群のこどもたちは、失敗しても根気強く学習を続けるようになり、高い成績を収めるようになる。
- 同じことをするにしても、自分で選んで行っているときのほうが、意欲的になり、やり遂げることが誇りや自尊心につながるのではないか。
- 研究者になるとお金が儲かると思ったことは一度もないんんですよ。でも研究者としていい研究をすることはすごく魅力的に思えた。
- 基本的にこどもは自律的になろうとしている存在だ。それを支援するのが教育で一番大切なことである。(デシ)
- ただ学習しているだけではなく、何か形のあるものに作り上げていくというような活動にすると楽しくなる。つまり作品化するということです。
- 自分との競争をすると、進捗が実感できて非常にやる気がわいてくる。
- いろいろな動機に支えられているということが、持続の秘訣だと思います。
- 実現したいことがあって、そのために必要感をもって基礎を学ぶ。それを私はきそに降りていく学びと呼んでいます。