51 . 内発動(川嶋 佑)
- 前進するときに地面を強く蹴ると、一瞬の硬直状態が生まれるため隙ができる。これが「居付き」です。スタートダッシュでは居付きが大きなロスになる。
- 上丹田活用…スタートの合図とともに頭部を前方に浮上させ一瞬の無重力状態を作る。
- 腕の浮上…頭部の浮上に続き、腕の浮上を使うことで身体全身の浮上を促す。
- 胸の浮上…脚力が作用しブロックを蹴るのはこの後。浮上の際に横隔膜を上げて中丹田も上手に活用。
- 呼吸により横隔膜を操作し、まさに身体の奥から動き始めることが可能になる。
- 腕の振り上げによって身体が浮上し、その浮上運動を加速させるために脚力を使うとより高く跳べます。
- 優れたバッターは、スイング動作を腕力ではなく肩甲骨発動で行っています。
- 外発動のように筋肉に頼ると、息を吸いながら動くことは難しいのですが、内発動のように脱力して動くことを基本にしていれば、力を入れるための呼吸は必要ないのですからどのようなタイミングでも動けます。
- 胸式呼吸で胸をふくらませるように息を吸うと、横隔膜は上がり重心が上がる。
52 . GRITやり抜く力(アンジェラ・ダックワース)
- 困難に対処する力は才能とほとんど関係ない。
- 彼らは満足しない自分に満足していた。最も重要で最大の興味のあることをひたすら探求していた。そしてそんな探求の道のりにおおおきな満足を覚えていた。
- 決意「粘り強さ」「努力家」と、方向性「自分が何を求めているのかをよく理解している」
- 人間は自分の持っている能力をほとんど使わずに暮らしている。さまざまな潜在能力があるにもかかわらず、ことごとく生かせていない。自分の能力の限界に挑戦することもなく、適当なところで満足している。
- やっていることのひとつひとつは特別なことや超人的なところはなにもないが、それらを継続的に正しく積み重ねていくことで生じる相乗効果によって、卓越したレベルに到達できる。
- 私たちは優秀なアスリートを見ると、すぐに才能があると決めつけてしまう。それこそが一流アスリートの証だとでもいうように。
- 才能など、天賦の才だのと言って片付けないで欲しい。才能に恵まれていない人々も、偉大な偉人になるのだから。達人たちは努力によって偉業を成し遂げ(世間の言う)天才になったのだ。
- 才能×努力=スキル、スキル×努力=達成。達成を得るには努力が2回影響する。
- 努力をしなければたとえ才能があっても宝の持ち腐れ。努力をしなければもっと上達するはずのスキルもそこで頭打ち。努力によって才能はスキルになり、努力によってスキルが生かされ様々なものを生み出す。
- 自分に対して「なぜ」と問いかけると、常に「~するため」という答えが見つかる。やがて最上位の目標にたどり着くであろう。最上位の目標は、他の目的の手段ではなくそれ自体が目的なのだ。心理学ではこれを「究極的関心」という。
- 道徳的に正しい判断などないことに気付いたのだ。自分にとって一番良いと思う道を選ぶしかない。
- 「最初からうまくできなくても何度も挑戦しなさい」。一方「何度やってもだめだったら他のやり方を試すこと」。ピラミッドの下位にある重要度の低い目標には、まさにそのような態度で取り組む必要がある。
- 遠くの目標を視野に入れて努力している。気分転換に目新しさを求めて新しいものにとびつかない。意志の強さ、粘り強さ、根気強さ、辛抱強さ。
- 知能レベルは最高でなくても、最大限の粘り強さを発揮して努力する人は、知能レベルが最高に高くてもあまり努力しない人より、はるかに偉大な功績を収める。
- 自分の人生哲学を見出し、挫折や失望から立ち直ることを学び、さっさと見切りをつけるべき重要度の低い目標と、もっと粘り強く取り組むべき重要度の高い目標の違いをしっかり認識するにつれ「やり抜く力」は伸びていく。
- やり抜く力の鉄人たちは「コンパス」を変えない。たったひとつの究極の目標があり、ほぼ全ての行動がその目標達成に向けられている。
- やり抜く力を強くする4つのステップ
- 興味…自分のやっていることを心から楽しんでこそ情熱が生まれる。
- 練習…粘り強さ、努力を怠らない、慢心しない。
- 目的…個人的に面白いだけでなく、他の人々の役に立つと思えることが必要。
- 希望…あらゆるステップにおいて欠かせない。
- 自分がいちばん楽しいと思うことを見つけてそれを仕事にすること。人生は短い。情熱に従って生きましょう。
- エキスパートほど、知れば知るほど分からないことが出てくる、と言うことが多い。無知の知は学ぶ意欲を高める。
- 初心者にとっての目新しさとベテランにとっての目新しさは別物。ベテランが目新しいと感じるのは微妙なニュアンスの差異なのだ。
- 常に、もっとうまくなりたいという強い意欲を持っているのです。自己満足とは正反対。過去への不満ではなく、さらに成長したいという前向きな思いが原動力になっている。
- 人間のもつどんなに複雑でクリエイティブな能力も、それを構成するスキルは細分化することができる。そしてひとつひとつのスキルは練習をしつこく積み重ねることによって習得することができる。
- 「やり抜く力」の強い人は、ふつうの人よりも「意図的な練習」を多く行い、フロー体験も多い。「意図的な練習」は問題解決、自分のあらゆる行動を分析する。フローはそれとかけ離れていて、無心で没頭する。「意図的な練習」は準備の段階で、フローは本番で経験するもの。
- 競争は脳が躍るし、トレーニング成果が現れたときも、調子がいいときも、レースで勝てたときも、最高に気分になる。
- 明確に定義されたストレッチ目標、完全な集中と努力、すみやかで有益なフィードバック、たゆまぬ努力と改良。この4つの項目に全て該当するような練習をしているだろうか。楽な道を選んで最低限の努力しかしない人も多い。やる気に溢れ疲労困ぱいするまで努力している人でも、「意図的な練習」を行っているとは限らない。
- ただ何時間も猛練習をして、自分たちを極度に追い込めばいいってものじゃない。
- 「意図的な練習」を行うために、自分にとって最も快適な時間と場所を見つける。毎日同じ時間、同じ場所で行う。大変なことをするためには「ルーティーン」にまさる手段はない。
- 自分の最重要の目標を通して世の中の役に立っている人は本当に幸福だ。どんなささいなことや退屈な作業にも意義を見出すことができる。
- レンガを積んでいる…仕事
- 教会を作っている…キャリア
- 歴史に残る大聖堂を作っている…天職
- ほとんどの人は、自己中心的な動機と利他的な動機は動機の両極端な姿であり、どちらか一方しかあり得ないと思っている。しかし実際には、どちらもない場合もあれば、両方存在する場合もある。
- ジョブ・クラフティングという考え方。業務を追加したり、あるいは他の人に任せたり工夫することで、今の仕事を自分の興味や価値観に合うように変えることができるという考え方。
- 成長思考。人間は変われる、成長できる、と信じている人たちは、チャンスと周囲のサポートに恵まれ、「やればできる」と信じて一生懸命努力すれば、自分の能力を伸ばすことは可能だと考える。
- 愛情ゆえの厳しさについて。愛情を持ってこどもの自主性を尊重するか、断固たる態度で親の言うことを聞かせるか、そのふたつの間の妥協点を探ることだと考えるのは間違っている。それらが両立できない理由などどこにもない。
- どちらの家族も「こども中心」だったといえるが、「何をすべきか」「どれくらい努力すべきか」「いつならやめてもよいか」など重要なことは、必ずしもこどもに判断させなかった。
- 人生の真の喜びは、自分自身の行動によって幸せをもたらすことである。つねに病気や不満の種に怒ってばかりいる、身勝手な愚か者になり下がり、世の中は自分を幸せにしてくれないなどと、嘆くことではない。
- 人は誰でも限界に挑戦する―才能だけではなく、機械の面でもだ―。しかし実際には、私たちが思っている以上に自分で勝手に無理だと思い込んでいることが多い。「やり抜く力」が強いとは、
- 一歩ずつでも前に進むこと。
- 興味のある重要な目標に、粘り強く取り組むこと。
- 厳しい練習を毎日、何年間も続けること。
- 七回転んだら八回起き上がること。
53 . 一投に賭ける(上原 善広)
- 真のリラックスとは「力が入っているのだが自分では意識していない状態」「実際は力が入った状態だが、力が入っていないように感じる」
- 「本当か?」と必ず疑問に思うようにして、自分で実践して納得するまで取り入れなかった。常識と言われていることのほとんどがデタラメだった。
- 気合で投げるのと、スッと集中して投げるのとでは全く違う。弱いからこそ気合に頼る。
- 「一瞬にかける」という言葉がある。この言葉の本当の意味は実際に多くの一瞬を経たうえで、さらに他の誰も達したことのない高みにある「一瞬」にかけることである。
- 寿司屋での晩餐は覚えていないが、この日のトレーニングは覚えている。入念にマッサージする代わりに、私はひとり黙々とバーベルを挙げ続けた。
54 . LIFE SHIFT(リンダ・グラッドン)
- 私たちは、自分がどのような人間か、自分の人生をどのように組み立てたいか、自分のアイデンティティと価値観を人生にどのように反映させるかを、一人ひとり考えなくてはならない。
- 人生を100年とすれば、87万3000時間。なんらかの専門技能を習得するには1万時間が必要とよくいわれる。
- 家庭でマイナス(疲労感と罪悪感)ではなくプラス(支えあいとくつろぎ)の体験をし、職場でマイナス(苛立ちと退屈)ではなくプラス(生産性、新しいスキル、興味深い人的ネットワーク)を体験するための方法を考えたい。
- 人生で多くのステージと多くのキャリアを経験するようになれば、そのすべてを貫く一本の柱をいっそうしっかり持つ必要が出てくる(アイデンティティ)。そのような柱があってこそ、人生のシナリオが真の意味で自分のものになる。
- 「はしゃいで跳ね回る」とは、歩く代わりにスキップし、最短距離ではなく景色のいい行路を選び、目的よりも手段を重んじること。行動することの楽しさに浸ること。
- ポートフォリオ型の生き方。さまざまな活動のバランスを主体的にとりながら、生きようとする考え方。
- 時間を消費するのではなく、無形の資産に時間を投資する。レクリエーション(娯楽)ではなく、自己のリ・クリエーション(再創造)に時間を使う。
55 . 人生を変える!骨ストレッチ(松村 卓)
- 骨が意識できるようになればなるほど、筋肉に頼らなくても効果的に力が出せるようになり、その分力づくの動きではなくなります。
- 頑張ることをやめた方が心地よく動け、いい結果があとからついてくる。
- 「心地よく走れているかどうか」体が感じているものこそが私たちが信頼するべき唯一の拠所です。
- 丹田を活用することで、爆発的な力が出せる。
- 骨盤と肩甲骨という体幹の要にある骨が連動できれば、初動時に体幹がダイナミックに動き、それを末端にある手足に伝えることができる。
- 迷ってしまったときに意識するべきポイントは「心地よさ」。
- 違和感があるのなら、それを可能な限りやめてしまい、代わりに全く反対の動作を取り込めば道は開けてきます。
- プロのアスリートの目標は考えないことだ。目指すべきは熱戦中に適切な作戦行動を意識の干渉なしに自動的に繰り出せるよう、何千時間という訓練を行うことだ。