56 . Number922(三浦知良、50歳まだやるよ)
- 出場が10試合以下になったから、ゴールができなくなったからという理由では引退しないと思います。毎日の練習がきちんとできていたら引退はしません。
- 大事なのは、50歳だからすごいとか、これまでの実績や何試合出たということよりも、いま、毎日、何ができているのか、どういう生活をしているのか、あるいは、どういう気持ちでサッカーをやっているのか、 情熱を持ってトレーニングができているのか、何をどう続けられているかです。
- 突き詰めれば自分の気持ち、メンタルじゃないでしょうか。情熱というメンタルがないと結局は何も始まらない。
57 . Number951(Ichiro Back to Mariners 2018)
- 「オレだから大丈夫」という根拠はないんだけど、そこを信じるしかないという自信が引き寄せたのかもしれないし、信じられる自分を自分で作ってきたというささやかなプライドもあります。
- 客観的に見ている人たちの評価に対して、絶対に反抗できない理由として年齢を挙げるということは、最後の常套句みたいなものだと思うんです。
- 人の何倍もの努力なんてできっこないんです。ただ自分の限界を少しだけ超えることを重ねてきたんです。
- 思い込みって人間の最も悪い習性だと思うんです。さまざまな可能性をつぶしてしまいます。印象って怖い。この年齢なのにこうだとか、いい意味でも悪い意味でも決めつけてしまうじゃないですか。
- 間違ったものを知った上で正しい形にあるものと、ずっと正しいところにあって今でも正しい形にあるものって違うんですよ。頭で理屈を理解するだけではなく、これを信じていいということを体感として覚えられる。 ムダを大事にして遠回りするか、合理的に近道をするか。
- ムダって大事ですからね。結果が出ていると何も変える必要はないと考える人は多いと思いますが、実はそうじゃない。その都度信じてやったことが、結果的に遠回りだったとしても、 やっぱりそうだと思うところに戻ることは大きいと思います。最終的に今の自分が最高だという状態を作ることはすごく大切。
58 . モチベーション革命(尾原 和啓)
- アメリカの心理学者マーティン・セリングが唱えたように、人間の欲望は「達成、快楽、意味合い、良好な人間関係、没頭」の5つからなります。団塊の世代以前は前の2つを、「乾けない世代」は後ろの3つを重視します。
- モチベーション革命を正確に捉えなければ、自分をドライブできないし、チームとしても仕事も人もうまく動かすことができません。
- 仕事が楽しくて公私混同になっているひとは、「仕事をしている」という意識ではなく「好きなことをしている」という感覚で日々を過ごしている。
- 好き放題やればいいというわけではありません。周囲からの信頼感を得ているからこそ、自分がより得意なことに専念する状況をつくるスタートラインに立てる。
- 任天堂の故岩田聡元社長「労力の割に周りが認めてくれることが、きっとあなたに向いていること。それが自分の強みを見つけるわかりやすい方法だ」
- 他人から見れば非効率かもしれないけど、私はどうしてもこれをやりたいという偏愛とも言える嗜好性を、個人がどれだけ大事に育てビジネスに変えていけるか。
- ①全員がやりたいこと、②世の中のためにやるべきこと、③個人がやりたいこと、の3つをいかに把握し揃えるかが、組織のマネジメントにおいて重要。
- 「生きがい」を磨く生き方は、はじめはちょっと孤独です。でもその孤独が、あなたの「生きがい」を確固たるものへと鍛え上げてくれます。
59 . 人生で大切なことは、すべて旅が教えてくれた(有川 真由美)
- 「人をよろこばせること」は積極的な意志であり、「人から外れないこと」は消極的な制限である(日本と台湾を比較して)。社会の中で消極的な安心より、一人一人と積極的な信頼を築いていくことにする。縮こまって生きるより、伸び伸びと生きていたい。
- (ギリシアでは)欲望のまま、気分のままに生きている部分が多くを占めているため、ストレスはそれほどなく、みんな弾けるような明るい。
- (フィリピンの村で)「自分は自分である」とその価値に気づくこと。それが誇りになる。そして「どんなふうに生きているか」が、さらなる誇りになっていいく。自分の世界に誇りを持つことで、輝くことができる。
- (イスラエルで)人と「違うこと」が当たり前の社会だから、自分の力を伸び伸びと発揮していく。イスラエルの空気の中にいると、「自分らしく」なんて考えもしないほど、自然な自分に戻っていく。
- 「生き残るのは、もっとも強い者でもなく、もっとも賢い者でもない。それは変化にもっともよく適応した者である」(ダーウィン)
- (テルアビブで)こころに情熱があること。その情熱を持ち続けることこそ、ほんとうに欲しいものを手に入れるために必要な一番の根っこなのだ。ここに住みたいから、ここで暮らしている。飲みたいからここにやってくる。自分はこんなふうに生きたいからそうする。自分の情熱に従って、自由に行動する。
- 大切なことは、情熱をもとうとすることじゃない。自分が情熱的に思ったことを大切にすることだ。情熱に突き動かされたことをする。情熱に従うこと。情熱の火を絶やさないことが「幸せな人生」の道のりとなっていくんじゃないか。
60 . アスリートは歳をとるほど強くなる(ジェフ ペルコビッチ)
- ダッシュを何回したか、ベンチプレスを何回したかはあまり関係ありません。真のベテラン選手には、身体のケアをしてすべてを適切な方法でやることが大切。
- トレーニングの量は、トレーニングの合間にどれだけ効率的に回復できるこということに比べたら、全然重要ではない。最も成功するアスリートは最もハードなトレーニングをする人ではなく、油断ならない疲労の蓄積を避ける人だ。
- 身体能力のピークは10代の終わりから20代の初めだという考え方が定着していたのは、それ以上の年代でチャレンジしようとする人すらいなかったというだけだったのではないだろうか。
- 速筋繊維は活性化する閾値がより高いために、それほど頻繁に活性化せず、その結果使用しないことで委縮しやすい傾向にある。「使いなさい。さもなければ失われる。」筋繊維に関してはまさにその通りである。
- 原因を無視して症状だけをたたこうとしているのだ。故障が長引くのは、間違った種類のトレーニングを間違った時期に、間違った量でしてしまうから。
- 1週間に1ゲームに制限し、トレーニングの負荷を大幅に減らす。瞬発性の高いプレーヤーで30歳を過ぎている彼にとっては推奨のトレーニング基準だった。
- 休養させるというシンプルな対応で良いところを、追加のトレーニングや外科的な治療をするようにと、積極的な対応をしてしまう。
- 負荷を週単位で大きく変更することは、アスリートに故障のリスクを大幅に増大させる。競技に早く戻りたいがために、あまりに急速にトレーニングを増やすことはリスクが大きい。
- 最小限のトレーニング。それは心強いアイデアだ。疲労の蓄積を避けること。リカバリーできるより早いスピードで疲労を蓄積させれば、パフォーマンスは悪くなり、故障も多くなり、引退も早まってしまう。
- トレーニング習慣があまりにマニアックなので、あの年齢ではとてもできないはずだと言われてきたことを無視している。他の人たちならバランスが取れているとは思わないようなバランスを持っているが、それこそが彼にとって大事なんだ。
- 高齢(オールド)なパイロットはいるし、大胆(ボールド)なパイロットもいるが、オールドでボールドなパイロットはいない。
- そのスポーツのピークの年齢を過ぎても活躍しているのは、トレーニングを増やしているからではなく、効率の良いトレーニングをしているからだ。
- 若いときは週20時間以上のトレーニングをしていたのに対し、今は週6時間半のトレーニングで自分の年齢にちょうどいいレベルを維持できている。
- メブは週に4、5回屋外用のバイクを使った走るトレーニングを増やした。水中ランニングもやった。体調の良いときでさえクロストレーニングを取り入れた。
- 才能だけに頼っていた人は、道端に転がり落ちる。体調を維持できなくて怪我をするか、必要なトレーニングを最小限にやるのさえ嫌になるか、あまり才能はなくても懸命にトレーニングをしていたライバルにとうとう追いつかれてやる気をなくすか。
- 低サイクルリズムでランニングを多くすると、そのリズムでの運動を助ける神経経路は強化されるが、高リズムの維持を助ける神経経路は弱めることになる。これは大きな問題だ。
- プールや自転車でランニングのトレーニングを真似ようとすることはやめた方がいい。ゆっくりすぎるんだ。
- ヒラリーのトレーニングが全てスピード重視かといえばそうではない。全く逆で80%はレースのスピードより格段に遅い。エンデュランススポーツで急速に広まりつつあるポラリゼーション(二極化)を用いている。
- 高強度インターバルトレーニング(HIIT)は、パワーと持久力を構築しエネルギー代謝をあげるには驚くほど効率の良い方法であり、年長アスリートには特に値打ちがある。
- 50代でレースに勝つ秘訣は、自転車でハードに短時間走るトレーニングをしたことだ。トレーニング量を減らせば強度の強いセッションに向けて休みを余計にとるし、休むことによってまたよりハードにトレーニングできる。
- 1週間に2回しかトレーニングをしない人ならば最高強度のトレーニングは良い方法だ。しかしプログラムをもっと増やしたいなら、二極化はその答えとなる。少し違和感を感じるほどまでにゆっくりすることが大切。
- きわめて良い健康状態と、相当に狭まった可動域が、NBAで故障率が増え続けている理由なのではないか。
- 可動域の安定性の改善を目的としたエクササイズを行えば、もっと走ったり、もっと重いウエイトを持ち上げたりしなくても、足が速く、筋肉が強くなるでしょう。
- 年長アスリートにとって、すでに持っているが使えていないスピードと強さを利用することが大切。ただし、もっと強く、速く、エネルギッシュになることはしないでよいと言っているわけではない。
- 過剰な筋肉強化はほとんど必要なく、自分たちのスポーツのトレーニングをするだけで十分。
- 自分の身体の声を聞いて、どう準備したらいいかを考えることが大事。
- トップアスリートでいるのに大切なのは、パフォーマンスではなくて、怪我をしないことなんだ。
- アスリートは歳をとるにつれて、肉体的でない部分の経験が、成功か失敗かの決定要因になることが多くなる。同様に、精神面や感情面での熟達が強いほど、選手寿命が長くなりやすい。
- 世界のベストプレーヤーたちは、一番ハードに働くが、一番楽しんでもいる。
- ハードワークのすべてを、目的達成のための手段というよりむしろ、それ自体を楽しむべきものとして考えれれるのが、トップアスリートの優れた認識能力。
- 最高水準の熟年アスリートは、よく練られて微妙に調整された目標設定の仕方を考えだす。つまり希望と現実をうまく調和させ、かつ達成のための複数の道を用意する。
- 複数の段階の目標を設定し、状況の変化に合わせて常に評価をし直すということは、その瞬間に可能なことより以下では決して満足しないということ。
- 安定性があること、体系だった計画や目標設定をするコツ、自分の能力を現実的に把握すること、健全なものの見方。そういったことがアスリートに長期にわたる成功を決定づけたり、熟年アスリートを予想以上に活躍させたりする資質になる。
- トレーニングに対するその執念を回復のための療法へと切り替えていった。