61 . 50歳ゼロからの世界挑戦 MINDSET(鏑木 毅)
- 最高の自分を作り上げる知識も意欲もあるのに、それができない辛さ、歯がゆさ、もどかしさ…。痛みそのものもつらいのですが、自分が思うトレーニングを積めなくなってしまうことが厄介。
- 神経系の老化により、瞬発的なパワーが低下、それを取り戻そうと無意識に他のところからパワーを絞り出そうとした結果、パフォーマンス全体が下降する。
- トップアスリートになればなるほど、自分の今までのトレーニング方法を捨てることができない。壁を破りさらに先に進むためには、思い切ってその考えを捨てる勇気が必要。
- 老いの三重苦。一つ目は「思ったようにトレーニングが詰めないこと」。二つ目は「疲労がとれないこと」。三つ目は「故障しやすくなること」。歳をとってもアスリートであり続けるには、若い頃よりも根気がいる上に、頭を使い、常に試行錯誤し続けなければならない。全盛期よりも情熱をもやして取り組まなければ、維持することすら難しくなる。
- マネジメント力。強くなる選手は、1日30分しかトレーニング時間が取れなくても、その中で最大効果を発揮できるメニューを考え実行する。
- データ的にトレーニング強度を抑えなければならないという指標があっても、それはあくまで機械の判断です。その時の心の状態も加味し、むしろ強度を高めるトレーニングをした方がよい時もある。
- 最高レベルの集中をするためのスイッチを早々に押してしまえば、レース本番までに疲れてしまう。レース2~3時間前が最も効果的でした。
62 . 良いトレーニング、無駄なトレーニング(アレックス・ハッチソン)
- 多くの人にとって、身体上のパフォーマンスのピークは、体温が最も高くなる午後6時前後。午前7時に最高の状態でレースに臨みたければ、できるだけ毎日同じ時間帯にトレーニングをする。ただし、こうした研究結果にも関わらず、運動に最も適した時間とはその人の一日の過ごし方次第だともいえます。
- スポーツパフォーマンスを向上させるうえで、有酸素運動は必要不可欠です。ウエイトトレーニング後の10~15分のエアロマシンを行うだけで大きな効果がある。
- 筋肉を増やすには、セットの最後に「それ以上その種目を続けられなくなる重量、回数で筋トレを行う」ことをする。
- パワーを強化するには、少し軽い負荷を、早く、爆発的な動きで持ち上げる。複数の関節を使用する機能的な運動を重視する。ボックスジャンプ、メディシンボール、ジャンプスクワット。
- 冷えた筋肉を伸ばしてはいけない。ストレッチをしてから最大2時間は、パワーやスピードの低下が起こる。試合ではストレッチをしてからスタートをするまでの時間をできるだけ長めにとる。
- ピラティスは「ハンドレッド」や「ダブルレッグストレッチ」のように胴部を動かさないので、深層部の筋肉を強化するには効果がある。
- 鼻水やのどの痛みなど「首から上」の症状なら、風邪をひいていても運動による悪影響はない。場合によっては、少し回復が早まることもある。
- (マスターズ選手について)成績上位者ほど怪我が少ない。優れた遺伝子を受け継いでいる可能性もありますが、後天的な賢明さという要素も見過ごせません。ヤングが「意図的な回復」と呼んでいる厳しい練習の合間に挟む休息日はパフォーマンスを向上させます。
- 年配のランナーやトライアスロン選手のテロメアの長さは、若い人と差がなく、年配で運動習慣のない人のテロメアは極端に短い。運動は細胞の老化を遅らせる。
- 頭を使うことは、身体的なパフォーマンスに影響するほどにエネルギーを必要とする。大会を前にしたアスリートは、心を落ち着かせることが重要です。
- 「計画的訓練」とは、単純に動作を繰り返すだけではなく、具体的な目標を定め、パフォーマンスの出来を確認しながら、つねに技術向上につとめること。生まれ持った才能よりも、いかに「計画的訓練」に時間をかけるかが重要。
- 計画的訓練では、ただ「する」のではなく、適切に調整しながら行う。定期的に練習を軽めにする週を設定するなど、ピークに合わせてトレーニングをしっかり計画する。
- 最大の努力と集中力を必要とする計画的なトレーニングこそが、ランナーにとっては最も「楽しい」トレーニングだということが分かっています。
63 . 脱・筋トレ思考(平尾 剛)
- 今の子どもたちに要求されているのは「粗雑な動作の反復」つまり「随意筋を機械的に動かす動作」。胸鎖関節の操作、重心の移動、骨盤の旋回、臓器の上げ下ろしということを意識的に訓練する機会がない。
- 「筋トレ」は筋肉になるべく多くの負荷をかけ、疲れさせ、それによって筋肉を大きくしようとします。しかし、仕事だったらなるべく疲れないほうがいいのですから、上手に負荷がかからないようにする。「筋トレ」は体を下手に使う練習をせっせとしている。
- 精妙な動きは全身を協調させることなのだから、バラバラにからだを動かす動作をいくら積み上げても到達しない。
- (フリークライマー安間選手)肘から指先までの筋肉ばかりを使っているとすぐに疲労がたまって登れなくなる。腕以外の部分に力を逃がしてやることが大切。体幹と足を使って体を持ち上げれば手の力はいらない。
- (十種競技右代選手)体幹とは、上半身と下半身をつなぐもの。体幹をうまく使うというのは、上半身と下半身をうまく運動させること。日常的に楽に生活するために体幹をうまく使う。
- 身体感覚に正直になる。感覚を鋭敏にすることによりパフォーマンスが向上し、健やかなからだになる。
- 意欲とは、ふとした拍子に自然に湧き上がってくるものではなく、外発的とか内発的とかに分類して手際よく発生させられるものでもない。自分なりに工夫を凝らして育んでいくものなのだ。
- 勝つということを目的化しないところで初めて現れる一つのスポーツのタイプがある。その中で完結するスポーツのリアリティというものがある。
64 . 幸福の資本論(橘 玲)
- わたしたちの働き方は、「労働とみなす」「キャリアとみなす」「転職とみなす」のいずれかにあてはまる。
- 仕事の中で自分の好きなことを見つけて、そこにすべての時間とエネルギーを投入する。
- 近未来には、都市の若いエリート層を中心に、ベタな共同体の中で幸福を追い求めるのではなく、「喜びを失うことで悲しまなくてもいい生き方」が進化論的幸福論として広がるかもしれません。
- 自営業者の幸福度が高いのは、自分の好きなことをして自己実現できるからだけではなく、時間と人間関係を選べる点も大きい。
- 公務員はやりがい(自己実現)はありませんが、責任もなく、収入と生活が保障されているので幸福度が高い。
- 脳には自分に起きた出来事をポジティブに考える癖がある。ヒトは不幸からの回復(リジリエンス)を手に入れるために幸福を犠牲にしている。
- 幸福は逃げ水を追いかけるようなもので、決して手に入れることができない。
- ひとは自分と似ているひとからの助言が最も役立つ。
65 . 働くことを楽しもう。(ジェローム・シュシャン)
- 人はひとつのステップに進んだら次のステップに進まなければならない。そして次のステップで今までとは違う努力をしなければならない。
- 「正射必中」とは、弓を構えてから矢を放つまでの8つのステップを正しく実践すば、必ず的に中るという考え方。
- 「正射必中」のこころ。自分が今やっていることに集中して、未来や結果について思い悩むな。結果のことは忘れて、今やっていることに集中しなさい。
- 私たちは自分の好きな仕事を見つける必要がります。あなたは、「あなたが好きな仕事」を探し続ける必要があります。それが見つかるまであきらめないでください。
- 好きなことを仕事にすると、仕事はゲームのようになります。遊びと仕事が同じになるのです。
- 「的は鏡」。的には鏡のように、そのときの私たちの姿が映されているのです。私たちは的を見て、自分の姿を修正しなければいけないのです。
- 成功してきたことを変えることを人間は受け入れられないのです。私たちはプロセスと考え方を変えるために、強い努力をしなければならない。
- 生活の中で情熱を傾けられるものを見つけて年々追及すること。そしてそれを継続して放棄しないこと。
- 「今、この瞬間」に集中する。過去の成功も失敗も忘れ、未来の予測に煩わされることなく、今だけに集中する。
- 目に見えやすい目的達成の数字のようなもののために、戦略やマネジメントがねじれてはいけない。「チョコレートを通じてお客様に喜びの瞬間を体験していただく。」これがゴディバの使命。
- ビジネスにとって一番いけないことは、完璧な条件や調査を求めて決断を先送りすること。
- 自分に居心地がよい快適な状態にとどまっているために、進歩がなくなりいつの間にか停滞してしまう。これが「コンフォートゾーン」の罠
- 絶えざる自己改革だけが進歩を促す。
- 知っていることを繰り返す方がいつでも快適です。しかし一方では新しいことを試すことも常にわくわくすることで、仕事に新しさと発見の要素を与えてくれます。
- 日本人は物事をうまくやる習慣があるため、新しいことに挑戦して今まで通りうまくいかなくなることが嫌なのです。
- 最強のセールスは、売るための努力をして売ることを忘れること。
- 欠点や間違いを是正してばかりいると、人々は誤りを訂正することのみに集中し、形式だけの正しさ、形だけにこだわるようになります。