2009 (H21/社9/30歳)
- シーズンベスト:14"16 (-0.5) (日本選手権/広島)
- 日本ランキング:33位
- 兵庫ランキング:1位
- 主要大会結果:兵庫選手権 優勝/近畿選手権 2位/関西実業団 優勝
2009/3/21 兵庫実業団記録会 (尼崎)
- 15"30 (-0.8) (1着)
肉体的にも精神的にもまだまだ冬の状態。しかし月日のたつのは早いもので、2009年のトラックシーズンがやってきた。 自分の気持ちの中にシーズンインという盛り上がりみたいなものが押し寄せてきていない段階。 練習でも、加速つきのハードル走では徐々に早い動きができるようになってきてたものの、スタートダッシュからの試技についてはまだまだという段階なので、 今日走る前はいったいどんな(悪い)タイムが出るのだろうという不安な気持ちもあったのだが、 タイムだけ見れば、例年とほとんど変わりのなものであった。 もちろん身体が動く感じはなかったのだが、重たいとか気持ちが悪いとかいう感じでもなく、 適度にリラックスできた中で走ることができた。さらに、今日走ったことで、これから今シーズンのピークに仕上げていく中で、 やったらいいと思うことを見つけることができた。そういう意味では今日の記録会は例年に比べて収穫大だったように感じている。 シーズン前半はあせらず、どっしりと構えて、その時その時のやるべきことをきっちっとやっていきたい。 急がば回れの精神で。春の前半の大会予定は次の通り。
- 4月18日(日)春季記録会
- 5月3日(日)郡市区対抗
- 5月17日(日)関西実業団
今日のウォーミングアップ
7:50 ストレッチ+Drill('30)
8:20 基本走80m*2+H.Drill+30mDash*2('30)
8:50 Hurdle(5歩*2/3台*4/AP(1)*1,(3)*3/3台*1)('35)
9:25 休憩('25)
9:45 直前AP(1)*2/3台*1
10:00 レース
2009/4/19 春季記録会 (ユニバー)
- 14"70 (-0.7) (1着)
今季第2戦。前回とは違って気持ちにも身体にも試合だという昂りがあった。 今週の水曜日、学校でのハードル練習で、久しぶりに満足の行く練習ができていたのだが、 今日のサブトラックでの練習は重たくはないでもそこまで調子が良いというわけでもないくらいの感じであった。 ハードリングでの骨盤の水平移動をもっとスムーズにさせたいというイメージを抱いていたものの、そのイメージ通りにはならず、やや腰が残る感じがあった。 しかし、それでも前回の記録を0"6秒上回ることができ、自分としては今のところ順調と捉えている。 今後のもって行き方としては、疲れを残さないようにという消極的なスケジュールに偏ってしまうと、 シーズンのピークが低くなりかねないので、やるときはやる、休むときは休むとメリハリをつけた積極的なプランを立てて、記録へ挑戦していきたいと思う。
2009/5/3 群市区対抗 (三木防災)
昨年度は2本とも追風参考となった三木での郡市区だったが、今年は2本とも向かい風。しかしむちゃくちゃに強い風ではなかったので、タイムは不満なものであった。 今週の練習では身体が動く感じが出てきていて、やや期待もしていたが、前回同様当日になってみるとまだ完全に仕上がってはいないなといった感じがあった。 そして、動かない感じがする→無理やりに動かそうとする→力む、という悪循環に陥ったように思う。力で進むのではなくタイミングをあわせれば自然と重心は前に進む。 そう考えたほうがよい。具体的にはハードリングにおける接地局面。抜き足について、前に持ってくるタイミングは同じままで(踏み切り脚を残す感覚)、 前に持ってくるスピードを速くすることを意識(切り返し動作の強調)して、接地した瞬間に走り出せる準備ができればいいかなと思っている。 リード脚が地面につく瞬間に抜き脚の動作が終了していて、接地した足と上体のバランスがかみあうようにする。スムーズに力を入れなくても走り出せる姿勢をつくる。
今週と来週は、春のシーズン前半の最大目標である関西実業団に向けて、調子を上げていくトレーニングを行う予定。 今週少し身体に刺激を入れて、来週の練習量は落とす。結果は出そうとして出すものではなく、今までの結果として出るもの。 今のところトレーニングは順調にきているので、引き続きしっかりと準備をして、試合を向かえることができれば、あとは気負わず力まず練習でやってきた通りの走りをするのみ。 そうすれば結果は出る。次回は、ある程度納得できる走りをしたい。
2009/5/17 関西実業団 (尼崎)
- 決勝 14"99 (-1.5) (1着) [2009関西実業団決勝]
郡市区のあと、1週間練習を強めにして、1週間練習を弱めにして、といういつも通りの調整を行って臨んだ、 今季前半戦の目標、関西実業団であったが、全くの不発に終わった。前回に引き続き試合で結果が出せない。なぜだ? まずはこの日の動きなどについて考えてみた。
出発前に家でストレッチ('30)
10:00 競技場着
10:20 ストレッチ('20)
10:40 Drill+基本走80m*2+H.Drill('30)
11:10 Hurdleその1('20) 11:30 休憩('50) 12:20 Hurdleその2('30) 13:00 レース
Hurdleその1ではあまり動く感じはなかったが、hurdleその2では結構身体が動く感じがあったので、 やはりレースが1本しかない日は1次アップ2次アップ形式でよいと思う。しかし、やや本数が多いのかなという気もするのでその点は検討したい。 またこの日は雨と強風という天候で、雨宿りする場所もない中アップを行ったので、体力を消耗したということも考えられる。 さらに、レース直前は風速計の値以上に強く感じる向かい風が吹き、雨脚も強くなっていたので、コンディションの悪さがタイムに影響したことは間違いない。
次に日々の練習について考えてみた。練習ができていないかといえばそんなことはないと思う。 先週行った、300mの加速走では、学校の1周250mの土のトラックで、おそらく自己ベストとなる36"58で走っているし、 身体が重たいといった感じもしていない。練習は順調に重ねてきている。ただ試合でうまく集中しきれていなかったり、 コンディションに恵まれなかったりしているだけだ。前向きに考えよう。結果がでてこないと、心のどこかに不安な気持ちが沸いてくるが、 「こうすれば結果は出る」と自分が信じる練習を、今までどおり続けていくしかない。自分なりに思う「やらなければならないこと」はちゃんとある。
今回記録は悪かったが、実は、平成15年(社会人3年目)以来となる2度目の関西実業団優勝であった。 しかも記録は前回と全く同じタイム。その年も、春先は全然調子が上がらなかったが、7月の五大都市(西京極)で14"48(-0.5、当時の自己記録は14"42)、 近畿選手権(鴻池)で14"44(-0.9)を記録し、全日本実業団(開催地は今年と同じ岡山)には絶好調で臨んんだ。 (レース中に脚を痙攣して棄権したが、あのアクシデントがなければ絶対に当時の自己ベストは出ていたと今でも思う。それくらい調子が良かった。) 今年も後半に波が押し寄せてくるはずだ! と自分を信じながら、今後は日本選手権、その2週間後の兵庫選手権を目指すことになる。
2009/6/6 神戸市記録会 (ユニバー)
- 14"42 (+1.0) (1着)
知人の紹介で、「そうだ! 絶対うまくいく!」という本を読んだ。 その本によると、人間の遺伝子は3%程度しかONの状態になっていない。残りの97%の遺伝子はOFFの状態。 つまり97%の「眠っている才能」がある。OFFの遺伝子をONにするものは、「できる」という気持ち。 「自分の限界」を決め付けてしまっていると、決して遺伝子はONにならない。
そこで、日本選手権に向けて、「できる」「できる」「できる」という気持ちを高めていくために陸上日記を書きはじめた。 毎日寝る前にその日の自分の練習と、競技に対する姿勢を振り返る。そして「よし」と確認したり、明日はこうしようと考えたり、 自分の陸上のことだけを考える時間を作っている。練習が順調に進んでいることを確認し、夢に向かって着実に前進していることを実感する。
思わなけれ可能性は広がらない
人の可能性を大きく伸ばすのは、強いハングリー精神
もう一冊読んだ。「不動心(松井秀喜)」。彼も人並みに悩み、しかし常に前向きな姿勢で野球に取り組んでいる。 日記に書く内容は、気持ちのこともあるが、技術的なことも多く書く。同じことを何度も何度も書いている。
- 1歩目で気持ちと上半身だけ先走ってつんのめらないように
- すなわち踵で地面を押すくらいの感覚を持つ
- 後ろ脚から始動して1歩目を早くつく
- その際に腰の移動を伴う
- 3歩目から頭をあげハードルを見る
- その状態で背中を使って加速して第1ハードルに腰をプレス
- リード脚を振り出す意識はもたない
- 抜き脚の着地を積極的に行い加速する
- 抜き脚の接地でジャンプができるようなポジションを作ること
- 4歩のリズムを思い出そう
- 「走って跳ぶ」のではなく「跳んで走る」
- ハードルを降りたときから踏み切りのために走り出している
- スプリント走と同じ姿勢で踏み切りの動作を行う
一度に全てを試すことはできないが、何度も何度もイメージして、理想の動きに近づけていくという作業を行っている。 昨日の日記にはこう書いた。練習は順調にきている。明日は練習で確認していることをきちんと実行できれば合格。14"5台がおまけで出ることを期待したい。
- スタートダッシュの8歩の課題に注意する
- インターバルの走りでは抜き足の着地を積極的に
- ダッシュでもハードリングでも「くの字」厳禁
- 走っていたらハードルがあった、というくらいの気持ちで!
そして今日。いい形で結果に現れた。課題のスタートもまずまず決まった。 中盤も力むことなく走れたように思う。正直、ウォーミングアップの段階では今日もいまいち動いてないなと感じていて、 また14秒後半かもなとか、仕上げていく段階だからとかいう考えも頭を横切っていたので、少し驚きの結果だった。練習は順調にきている。今日のレースで確信できた。 文化祭が予定より1週間延期になったので、来週の土曜日に関西実業団記録会(尼崎)に出場する。オールウェザーでハードル練習をするぞというくらいの気持ち。 それが終わるといよいよ日本選手権へ向けて、ポイント練習や刺激入れも含めての調整に入る。
2009/6/13 兵庫・関西実業団記録会 (尼崎)
- 14"31 (-0.5) (1着)
先週に引き続き練習の一環で出た記録会。走っていて「動いている!」とか「速い!」とかいう感じがなかったのに、向かい風の中昨年度のシーズンベストを上回った。 過去にも、6月に「神戸市記録会→関西実業団記録会→6月末の目標試合」というスケジュールできた年もあったが、 今までは関西の前に練習を弱めにする調整を行っていた。しかし、今年については積極的な(日本選手権に向けての)調整ということを考えているので、 練習をガクンと落とすようなことをせず、火水はきちんと練習をし、木金は軽くという形で練習を行った。つまり、完全な調整をしていない状態で今日の記録会を迎えた。 そんな中での14"3台は過去にない。関西実業団以降、とても集中した練習をすることができ、思い描いている動きの自動化ができてきている。 ウエイトでも、狙っている筋肉が思い通りに動員されている感じがある。脳⇔筋肉間の神経が非常に研ぎ澄まされてきている。 順調すぎるくらい順調にきているが、6月1日の練習で右のハムストリングスに違和感を感じていて、それがなかなか取れないということが唯一の気がかりだ。 今日は大事をとって、本当に何年ぶりかで、バックの奥に眠っていたキネシオテープを取り出し、右ハムに2本張ってから競技場に向かった。 気にはなるが大丈夫だろうと思っている。しかし、入念なアップとストレッチを怠らないように十分注意したい。今日はレース後に十分なアイシングを行った。 日本選手権まであと2週間をきった。神経質になりすぎず、今行っている練習を今の調子できちんきちんとこなして、平常心でその日を迎えることが大切。 以前から目標記録は掲げているが、そのレースで具体的に○○"○○を出すぞ!なんてことは考えていない。 自分の理想とするレースをすることに集中する。そうすれば結果はついてくる。自分を信じて走るのみ。 今日のレースを終えて日本選手権できちんと勝負できるぞ、という確かな手ごたえを得た。
2009/6/26 日本選手権 (広島ビックアーチ)
- 予選 14"16 (-0.5) (4着)=自己新
全国規模の大会に行くと、久しぶりに会う人たちも多い。ウォーミングアップの間に筑波大学の谷川コーチとこんな話をした。
「福ちゃん調子はどう?」順調に練習を積み重ねることができ、調子も良い。心身ともに充実した状態で迎えた今年の日本選手権。 自信は持ちつつも、あくまで平常心で。この日の目標は平常心だった。気負いすぎず、今まで練習で確認してきたことをひとつひとつ丁寧に確認する。 ピリピリした雰囲気を出すことなくアップを行うことができ、招集場でもリラックスして時間を過ごすことができた。 スタートリストを見て田野中選手(富士通)とモーゼス選手(国武大)は調子がよさそうだと判断。 ひとつ左のレーンを走る岩船選手(サンメッセ)と競えればというイメージを持っていた。最低でも4位に入りプラスで準決勝という作戦だった。 課題のスタートもまずまず決まり、予定通り岩船選手とそんなに離れることなくレースを展開できた。 10台目を越えて右手を走るモーゼス選手が流している様子が目に入たので、それに追いつけとばかり精一杯にフィニッシュ。 大きなミスをすることなく今やっていることをきちんと表現できたと思う。レース内容は合格点だろう。結果は5年ぶりの自己記録。予選落ち。
「今日はベストがでるかもしれませんよ。」
「いつも期待しすぎて気負いすぎるから、気を入れすぎないようにしないとな。」
「30歳になってその辺は分かってきましたよ。」
男子110mH 予選 Result
5年間も出したくて出せなかった自己新がでたのに、嬉しさはあまり感じず、悔しさのほうが強く残った。 自分自身への期待が大きかったからかもしれないし、なにより準決勝に残れなかったということが残念だった。 今年は勝負できると思っていたから。予選5組のうち自分の組だけが唯一向かい風という不運もあった。 もし追い風が吹いていたら…と考えたりもしたが、終わったことは仕方がない。きっぱりと諦めて次の大会へ向けて何をするべきか考えなくては。 今年の自分にとっての日本選手権は金曜日で終わった。昨年は新しいイメージを求めて翌日もサブトラックへ行ったが、今の自分は新しいものを求めてはいない。 こうしたいというイメージがきちんとある。明日は競技を見ずにさっさと帰ろう。試合の翌日になるが軽くウエイトトレーニングを入れて、次につなげよう。 蘇生(Mr.children)という歌の中にこんなフレーズがある。
「蘇生」 Mr.Children
胸を揺さぶる憧れや理想は
やっと手にした瞬間に その姿消すんだ
記録を出した瞬間にそれがまた次の目標になる。自分の限界を決めつけずに、夢に向かって前進するのみ。 今回自己記録を更新できたことで目標にしている記録に一歩近づくことができた。 次の大会は7月12日の兵庫選手権。6月下旬の試合+7月第2週の試合というスケジュールは定着しており、 過去の経験上、同じくらいのタイムは出せると思う。次の2週間は兵庫選手権に向けての刺激入れの練習と調整だ。目標記録はたくさんある。
- 13"90 = 兵庫記録
- 13"99 = 13秒台
- 14"10 = 兵庫選手権大会記録
- 14"12 = 日本選手権A標準
- 14"16 = 自己記録
2009/7/12 兵庫選手権 (ユニバー)
- 予選 14"39 (-0.8) (1着)
- 決勝 14"74 (-2.2) (1着) [2009兵庫選手権決勝]
日本選手権から好調を維持したまま迎えることができたが、数値以上に強く感じる向かい風に阻まれ、記録はもうひとつ。 しかし、2年ぶり6回目の選手権獲得。タイムが悪かろうがやっぱり優勝はうれしいものだ。 相手があってのことだが、この回数をどこまで増やせるかに挑戦したいという気持ちはある。記録だけではなくいろいろな楽しみ方がある。 他にも、全日本実業団は10回出場で表彰してもらえる制度があり、これまで社会人になってから8年連続出場中。今年を入れて後2回で区切りの回数になる。 これは以前からひとつの目標にしている。
この日の2本のレースについて振り返える。前日からの天気予報とグラウンドのコンディションから、朝は穏やかだが昼からは強い向かい風が吹くだろうなと考えていた。 そして、スタートリストを見て普通に走れば勝てると思ったので、疲れなどを考えずに予選で記録を狙う作戦をたてた。 きちんとアップをして予選を走ったが、なぜか緊張しすぎた。身体が震えた。一度のフライングの後のスタートになったが、うまくまとめられなかった気がする。 気持ちの面で失敗レースであった。決勝については、まずまず動いていたしきちんとまとめられたが、前述の通り、数値以上に強く感じた向かい風で前に進まなかった。
次に、シーズン前半戦を振り返る。前半は思うように記録が出ない試合が続いたが、関西実業団から県選までの2ヶ月は、 競技的にとても充実した日々で、自己新が出たからではないが、生活の一部としての陸上を、陸上をすること自体を、味わい、楽しめた。 練習の仕方についても考え、こうあるべきだというものを再確認できた。今後の競技生活にとって有意義な時間になったと思う。
最後に今後について。1週間くらい気楽に基礎トレーニングを行って、夏季の強化練習に入る。今日は努力度80%でのテンポ走のタイムの目安をはかり、 ウエイトの重さと回数の設定を行うための練習を行った。今年の夏は、質を落としすぎないということをポイントにおいて練習を行うつもりでいる。 秋の大会の計画は以下の通り(あくまで予定)。どんな練習をしようかな? とか、どの大会に出場しようかな? とかスケジュールを考えるのも、 私にとって陸上の楽しみ方ののひとつである。
月日 | 大会名 | 場所 | 重要度 | 目標 |
9/5 | 近畿選手権 | 皇子山 | ★★ | 3位に入り日本選手権の出場権を得る |
9/13 | 姫路選手権 | 姫路 | ★ | 練習の一環 |
9/27 | 全日本実業団 | 岡山 | ★★★ | 決勝で勝負する。記録にも挑戦 |
10/12 | 神戸市総体(200m) | ユニバー | ★ | 練習の一環(出場できれば) |
10/24 | 香川カーニバル | 丸亀 | ★★★ | 記録に挑戦 |
2009/8/13 三校定期戦 (ユニバー)
- オープン200mH 24"95 (-2.1) (1着) =自己新
2009/9/5 近畿選手権 (皇子山)
- 予選 14"63 (+0.6) (1着)
- 決勝 14"36 (+2.6) (2着) =追風参考
今年の夏季トレーニングはまずまずバランスよく練習ができた。 しかしそれでも、夏の練習の疲労はなかなかとれないもので、先週くらいまではさっぱり身体が動いてこなかったのだが、ようやく今週になって、 よい動きが少しずつでてき出したかなという段階で、秋季シーズンの初戦、近畿選手権を迎えた。 兵庫選手権の欄の計画には、★2つで、3位に入賞が目標と書いてあるが、やっぱりちょっと調子が上がってくると欲が出るもので、 前日の時点で14"30で優勝という目標を立てて臨んだ。今回の作戦は、予選をできるだけ省エネで通過し決勝1本に集中。
30mちょっとの雨天練習場でのみアップを行い走った予選は、スタートでやや出遅れたが、中盤以降は楽に走り14"6台。 流して14"6台が出るときは、調子がいいとき。これはいけるかなと決勝のレースに備える。 しかし、決勝のアップ、サブで何本か跳んでみるとなんか、かみあってないなという感じがあった。 ハードルを跳んで、気持ちがよくない。なんかちょっと重たい感じがする。でも優勝したいという欲は自分の中にある。これでも勝てると思い込みさあ決勝のレース。 予選でもうまくいかなかったスタートだったが、結局決勝でも同じことを繰り返すことになった。スタート2歩目。 身体を急に起こしてしまい完全な失敗スタート。1台目で4人くらいの人が見えた。つまり自分は5位くらい。 その後徐々に追い上げるがなかなか追いつかず、走っている途中に「やばい、これでは3位に入れないかも。」と思った。 それが5台目くらい。これはがんばらなくては。必死に追いかけ何とかかんとか追いついたが、1位には0"07秒届かず無念の2位という結果に終わった。 やっぱり負けは悔しい。レース内容の点数は20点くらい。うまくスタートがきれるときは、ヨーイでお尻を上げたときに、 ダッシュで使う筋肉が準備完了! になっているのだが、まだそれがでてきていない段階だった。 今週の練習で何本かいい試技があったが、その割合がまだ少ない。もっと感覚を研ぎ澄まして調子を上げていかなくてはと思う。
試合が終わると、こうしていつも文章にして自分の気持ちをまとめる。今日はとても複雑な気持ちでうまくまとめきれない。 いろいろ自分なりに今日の結果を正当化する理屈があるのだが、負けたことの悔しさが大きかったからかもしれない。でも気持ちの整理はしなくては。 今日負けて悔しいのは、もともと3位入賞が目標のはずの大会なのに、優勝したいという欲が出たからだ。 なぜ、はじめから優勝を目指して、ベストな調整をしなかったかというと、ここで調子を上げすぎてしまうと、これから先のピークが低くなってしまうから。 だから、本当は今日ぐらいの結果でちょうど良かったのだ。来週の姫路選手権で実践的な練習をもう一度行い、9月27日の全日本実業団、 10月24日の香川カーニバルに照準を合わせる。全日本では決勝で勝負をする。それがこの秋の目標だ。
最後に。あれほどバラバラなスタートでよく14"3台がでたなと感じた。追風の力ってすごいなと思った。 これでこのタイムなら…、条件が整えば13秒台は出せると本気で思った。
2009/9/13 姫路選手権 (姫路)
- 予選 14"79 (-2.2) (1着) [2009姫路選手権予選]
- 決勝 14"14 (+2.4) (1着) =追風参考
2週連続での試合、姫路選手権。今年の春のシーズンは記録会を重ねることで心身の調子のピークを作っていくことができたので、 秋も同じようにやってみようと、初めてこの試合にエントリーした。 近畿選手権での負けが良い刺激となって、気持ちの面で試合に対するモチベーションが高まってきてはいたものの、 課題のスタートダッシュについてはまだ少し不安を抱えた状態にしか仕上げることはできていない。 月、水の練習は自分なりにみっちり追い込んだ練習をしたので、予定通りドンピシャにあわせたわけではない。 そんな中で、決勝のレースでは追風参考ながら、自己記録を上回る走りをすることができた。
予選は向かい風が強かったので、後半もたもたした感じではあったが、スタートはスムーズに走ることができ、自分の中では合格点の走りだった。 ただ、予選2組、近畿選手権で負けた緒方選手は14"6台を記録している。よって、前日から考えてはいたことだが、 今日は先週のリベンジを! という気持ちがやや高まった状態で、次の決勝のレースを迎えることになった。 予選でスタートはうまくいった。決勝前のアップでもまずまずの出来。自信をつけて臨んだ決勝のレースも納得のいくスタートとなった。 そして追風の後押しもあり、とても気持ちよく走った。10台目を越えてからのランニングでももたつくことはなくそのままの勢いでフィニッシュ。 ランニングタイマーは14"17でとまり、よしと小さくガッツポーズ。気持ちの良いレースであった。 その後正式記録は14"14という発表があったが、無念の追風2.4mで参考記録となった。 しかし、今日はまだまだ練習の一環の試合。気持ちよく走れて、記録もよかった。何より、スタートの良い感覚を得ることが出来た。 目的は十分に果たしたように思う。さあ、いよいよ次はこの秋の最大目標の大会、全日本実業団。 スタートリストを見てみると、申込タイムでは分が悪いようであるが、申込タイムはあくまで申込タイム。 要はその日のレースできちんと走るれるかどうか。これまでの経験で考えると、このレベルのエントリーなら、おそらく14"1前後が決勝進出のラインになってくると思う。 予選で自分の走りをきちんとして、決勝の舞台を楽しみたい。
2009/9/27 全日本実業団 (岡山・桃太郎スタジアム)
- 予選 14"21 (+0.9) (4着)[2009全日本実業団予選]
今年最後の大きな試合となる全日本実業団に向け、できる限りの調整はしてきたつもりだった。 しかし、今週になっても、なかなか動きがかみあってこず、決して身体が動いていないと言う訳でもないが、気持ちの中にやや不安を残したまま、岡山へと向かうことになった。 当日のアップ。以前からの課題であるスタートがやはりしっくりきていない。というか、この日は普段あまりないことなのに、 練習中ことごとく1台目にリード脚をぶつけてしまっていた。 2次アップでは修正しようと、気持ちを切り替えて臨むも修正しきれず。メインでの本番前のスタート練習に移る。 メインで2本走って少し焦った。「身体が全然動いていないぞ。これだと14"5くらいじゃないのか?」 びっくりするくらい走って気持ちが悪い。一方で、こまできてぐちぐち考えても仕方ない。いつもどおりに走るだけだという冷静な自分もいた。 結局技術的な部分の修正は仕切れぬまま、しかし気持ちの面では平常心を保った状態でレースを迎えた。
本番一発勝負、スタートの一歩目をスムーズにいけるようにと、後ろ足のブロックを一段前に変えた。 ピストルへの反応はばっちり決まり、ドンと飛び出した。そこまでは良かったのだが、やはり一台目のリード脚をぶつけてしまい、膝がガクッとなった重心が落ちた状態で接地。 またしても失敗スタートとなった。しかし後半は思いのほか走れた。隣を走る内藤選手との差もほとんど開かなかったのではないかと思う。 前半はガタガタだったが、後半はきちんと走れた。自己採点は50点くらいか。記録は公認で自己3番目の記録なのだが、 後味の悪い走りだった。それでも14"21。13秒台は出せる、力はついている。失敗してそう思えた。 勝負の方はというと、全体で9番目の予選落ち。予想通りプラスの4番目は14"1台。今日の走りでは仕方ない。きっぱりと割り切って競技場を後にした。
今シーズンの今後の予定は、今週から2週間は少しスプリントに重きを置いた練習を行って、 できれば神戸リレーカーニバル(10月12日)の200mに出場。その後の2週間は、試合前の刺激要れ練習と、技術の確認を中心とした調整練習を実施する予定。 今季の110mHの試合は4週間後の香川カーニバルで締めくくることになる。今の段階で調子のピークを迎えたという実感はないので、 今後の練習の仕方次第で十分に記録は狙えると思っている。徐々に気持ちと身体を仕上げていこう。13秒台、さらには県記録の13"91に挑戦だ。おもしろい4週間になりそうだ。
2009/10/12 神戸市総体 (ユニバー)
- 200m 22"79 (-0.3) (3着)=自己新
このホームページに試合の感想を書くようになってから、一度も110mH以外の種目のみの試合はなかったので、 どういう形でまとめようかと少し考えてしまった。香川カーニバル(24日)に向けての調整の一環で出場した神戸市総体200m。 自己新といっても、高1以来のレースなのでよくわからないが、練習の中のタイムと比較するとまずまずのタイムかなと思う。 アップで走ったAR120mでは、12"83という過去最高記録もでた。したがって順調に身体は仕上がってきていると理解したい。 今日の一番のポイントは身体の芯から気持ちよく動かすことだった。アップの中ではかなり意識できたと思う。 しかし、実際のレースでは、それ以外のことも含めて、反省点はたくさんあった。
- レース序盤の加速局面で力を使いすぎた点
- コーナーを抜けてからの走りで少し腿が上方向に上がってしまった点
- 全体的に力みがあった点
- 150m以降で少しばてたという点
今後の、練習の中での200mの走りの中で参考にしたい。 走ってみて課題というか反省点はいくつかあったが、先にも書いたとおり確実に身体は仕上がってきてる。 今日の試合(アップも含む)は非常にいい(最高の)刺激入れ練習になったと思うし、 今日200mに出場したことが、全日本実業団から今日までの2週間の練習に良い影響を与えたと思う。 体育大会200mだって、自分の中では練習計画の中に位置づけて走った1本だった。 さあ、泣いても笑っても今シーズンはあと12日。良い流れでこれた今シーズンを最高の形で締めくくることができるよう、 1日1日その日するべきことを確実に実践して、最終戦を迎えたい。気持ちと身体のピークを12日後にもっていく。
2009/10/30 香川カーニバル (丸亀)
- 予選 14"44 (-0.8) (1着)
- 決勝 14"33 (-0.9) (1着) [2009香川カーニバル決勝]
主観的には調子良しで臨んだ今季最終戦だったが、コンディションにも恵まれず残念ながら目標達成とはならなかった。 結果だけで考えると、全日本実業団がで追い風0.9mで14"21、今回は向かい風0.9mで14"33だったので、風のことを考慮すれば、 全日本のときに比べれば順調に調整できたのかなと見ることもできる。しかし、実際には当日感じる自分自身の調子は80点くらい、 レース内容も80点くらいだっただろうか。当日になって絶好調といった感じもなかったし、走り終わって良しという感じもなかった。 とは言うものの、悪くもなかった。適度に集中して、いつもどおりにアップをして、スタートラインについて、たんたんと練習の成果を発揮できたとは思うが、 良しという走りにはならなかった。これで今季は終了。
期待して臨んだ大会で結果が出せなかった。ランニングタイマーが目に入るので、それはゴールした瞬間に分かる。 しかし少しでもタイムが上がることを期待しながら、フィニッシュラインの奥でスパイクを脱ぎながら、正式結果を待つ。 昨日のその場面には、満足のいかない結果をやけに冷静に受け入れている自分がいた。 今日の調子で今日の走りではこんなもんだなとすぐに理解できた。 理想のレースはできていない。すなわち改善の余地はまだまだある。 今シーズンは5年ぶりに自己記録を更新し、シーズン平均タイム、シーズン5傑平均タイム、さらに追風参考での最高タイムも、 すべて過去最高だった。良い形で送れた1年だったと思うが、目標タイムには届かなかった。来年目標を達成すべく、これからじっくりと作戦を練る。 今特に思っていることは次の2点。
- 技術的な改善点
- 力まかせに力んでハードルを跳ぶのではない。タイミングが合えばグンと進む
- 足を引き込んでくるように踏み切り、ブレーキを少なくし、力の前方向への成分を増す
- ハードリングの際の前傾姿勢のバランス(上体の動きのタイミング)を改善する(インターバルの走りでの状態の傾きも含めて)
- 基本的身体能力の向上を図るための継続的な補強の実施
- 身体の芯から気持ちよく身体を動かせるイメージを常にもって
- アンクルウエイトを用いて、鉄棒、MB、JUMP系
冬季練習の全体像は、例年と大幅に変るということはないが、上記については徹底して追求したい。 来年は社会人10年目で32歳のシーズン。しかし、まだまだ限界を感じないし、もっともっと伸びる要素はたくさんある。 言葉だけの強がりではなく、ほんとうにそう思っている。やればできる。必ずできる。 今日のレース終了後、住友電工の進藤選手(100mの選手で自分より学年はひとつ下)と少し話をした。 少し話をして、最後にお互いに確認したことは「いけるところまでいきましょう!」 110mHの現日本記録13"39を持つ谷川選手は32歳のときにアテネ五輪でその記録を樹立した。 今年のベルリン世界陸上の女子100mHで優勝したフォスターヒルトン選手(ジャマイカ)は34歳で自身初の金だったそうだ。 自分の限界を決めるのは「年齢」や「練習環境」や「故障」ではない。 自分の「気持ち」だ。自分を信じて「夢」をしっかりともって、それに挑み続ける者こそが、最後にそれを手にするのだ。
「夢唄」 コブクロ
夢をかなえる一番の方法 君に教えよう
それはかなうまでやり続ける事 自分を信じて